先週からCコース使用。週中・土曜昼前に一雨降り、例年と比べれば良好とはいえない馬馬状態。内が完全に死んでいる訳ではなさそうだが、土曜のレースでは外差しが目立った。内外フラットでやや速めの馬場と捉えたい。
ペースメーカー候補はユニコーンライオン。ハイペース逃げを打つ馬ではなく、番手候補にも積極的なタイプは見られない。ここはスローからの直線勝負、「ジャパンカップ」の名に相応しい、日本競馬の典型的な展開で想定する。
〇⑭ダノンベルーガは香港カップと両睨みの状態からこちらを選択。前走天皇賞秋は上がり32.8の末脚で追い込み、いかにも差し遅れの3着。堀師は東京2000mがベストと言うものの、成長途上の現状としては、このぐらい距離を伸ばした方が差しやすいのでは。ただし体質的に間隔を詰めて良いタイプではなく、前走からの上積みには疑問。器の大きさは一番だが、本命を打つのは来年まで取っておきたい。
◎⑮シャフリヤールとする。母ドバイマジェスティはG1-BCフィリー&メアスプリントなど北米で12勝を挙げたスプリンター。全兄アルアインは母の影響が強い500㎏を優に超える馬体で、パワーとスピードを活かした先行捲りで内回りG1を2勝。「『らしくない』ディープ産駒」と呼び続けてきた。逆に本馬は450㎏前後の薄手の造りで、父譲りのしなやかさを武器に東京優駿とドバイSCを制覇。「正統派ディープ産駒」と表現したい。藤原師はじめ世間では2400mベストの論調だが、体型的には寧ろ前走くらいが丁度よく見える。また、本馬に関しては距離適性以上に、高速馬場・スローペース・直線勝負の3要素が揃うことの方が重要に思える。前走を振り返ると、大逃げのパンサラッサはともかく後続については然程キツいペースではなかった。それにも拘らず弾け切れず5着というのは、正直に言えば期待外れの結果ではある。ただし、褒奨金対象のドバイSCを制したことで、早期からジャパンCが今秋の最大目標であることは明言されていた。前走はあくまで叩き、今回がメイチの仕上げであることは間違いない。
現役ディープインパクト産駒の中で、G1馬は現在6頭。本馬を除く5頭(グローリーヴェイズ・レイパパレ・ポタジェ・キラーアビリティ・アスクビクターモア)は全て「『らしくない』ディープ産駒」だと思う。ディープインパクトの死によって、日本競馬のトレンドは「Nasrullah×Princequillo」のしなやかなキレから「Nasrullah×Hyperion」の野太いキレへと移りつつある。そんな今だからこそ、「スローからのよーいドン」という様式美の頂点に立つべきなのは、日本最強種牡馬が送り出した最後の正統派であるこの馬だと思う。
相手は△③ヴェルトライゼンデ、△②オネスト、△⑤グランドグローリー、△⑰ユーバーレーベンの順に推奨。