※来年のクラシック(桜花賞・優駿牝馬)を想定した25.12.02現在の番付であり、阪神JFの予想そのものではありません。悪しからず。
※特に断りのない限り、データ・画像はTARGET frontier JV・JBIS Searchより引用。
参考記事
番付表

横綱

横綱はディアダイヤモンドとする。以下、勝ち上がり診断(評価A)より引用。
07/27 未勝利戦(新潟芝1600m/良) 1:35.9
13.0-12.1-13.1-12.4–12.4–11.3–10.6–11.0
50.6-45.3の超スロー。好発を決めてハナに立ち、直線内回りとの合流地点まで持ったまま追走。追い出すと後続との差を楽々と広げ、7馬身差の圧勝。初戦は荒れ始めた馬場を苦にしてか見所の少ない3着だったが、今回は単勝支持率86.0%の断然人気に応えた。レース上がり5F57.7・4F45.3・1F11.0で、それぞれ2歳戦指標(5F58.0以下・4F46.0・1F11.0以下)をクリア。開幕週の新潟は超抜時計連発の高速馬場であり、人気が示す通りの低調な面子。見た目も数字も鵜呑みにするのはよくないが、それらの中でも抜けたパフォーマンスを出していることを評価したい。昨秋の高速中山で好時計をマークした同父産駒ファンダムと印象が被る。
母スカイダイヤモンズはグレイトレイディエムS-G2/USAなど重賞3勝のスプリンター。「ロードカナロア父系×Best in Show牝系」というアーモンドアイを想起させるアウトラインに、Storm Cat4×5・Nureyev≒Sadler’s Wells(6×4)×6というNorthern Dancer系のインブリードを散りばめながら、母父First Dudeを異系とする「3/4ND・1/4異系」でまとめた好配合。米血主体の構成で距離が持つ印象は薄く、マイル~1800がベストだろう。この父なので多頭数・ハイペースになった場合どこまでパフォーマンスを維持できるか怪しいところはあるが、来春の主役も狙える好素材では。
2025年度2歳勝ち上がり診断/Hyperion最強
アルテミスS出走予定も熱発にて回避、後に左後肢フレグモーネも発症。具体的なレースは決まっていないようだが、年明け復帰の見通しは立っているとのこと。有力馬に中長距離型が多い今年の面子を考えると阪神JFに間に合わなかったのは非常に残念だが、焦らず整えて桜花賞での活躍に期待したい。
大関

大関はアランカールとする。新馬戦は稍重の福島1800m。出負け気味のスタートから最後方追走、向正面入口からジワジワ進出し、3,4角で捲り切り4馬身差の圧勝とした。とはいえメンバーレベルは相当低く(事実現時点で同組からの勝ち上がりは0頭)、1000m通過63.2、レース上がり5F12.5-12.1-12.0-12.1-12.6、自身上がり3F36.4と、数字的にはどこをどう切り取ってもハッキリと評価E水準。非常に悩んだが牧場サイドの声を信頼し、下駄を履かせて評価Dとした。疑いの目が変わったのが前走野路菊S。相変わらずのスタートで離れた最後方からの競馬になるも、3,4角で馬群に取り付くと、直線では文字通り桁違いの末脚で差し切り3馬身半差の完勝。レース上がり5F57.7・4F45.6は2歳戦指標(5F58.0以下・4F46.0以下)をクリアした。相手関係が楽とはいえマイルでここまで弾けたのは想定外で、下馬評に違わず器は世代最上位か。

【参考】2歳芝1600m上がり4Fランキング (1986~2025.11.30)
(赤字:期間内G1勝利 青字:期間内重賞勝利・G1入着 黄背景:25年施行)
二代母シンハリーズはデルマーオークス-G1/USAを制した芝マイラー。母シンハライトは優駿牝馬-G1など重賞3勝のJRA賞最優秀3歳牝馬で、アダムスピーク(ラジオNIKKEI杯2歳S-G3)の全妹、リラヴァティ(マーメイドS-G3 他)の半妹。「エピファネイア×ディープインパクト×Sadler’s Wells≒Nureyev」はアリストテレス・エピファニー・オーソクレースと共通。競走能力の高い父母相似配合で、「父長距離×母父長距離×二代母マイラー」の配合型は父産駒活躍馬のセオリー通り。母と同じく430㎏前後の無駄肉のない体質を受け継ぎ、ここまでの追走を見ても十中八九TT型ステイヤーだろう。中間に骨瘤が出て小休止を挟んだものの、阪神JFへ登録済。今年の手薄な面子であれば持っていっても不思議はないが、狙いたいのはその先。優駿牝馬でのエピファネイア大決戦は勿論のこと、菊花賞出走が見たい一頭。これまでの母産駒はとにかく体質難が目立つだけに、まずは無事に。
関脇

関脇はアートバーゼルとする。以下、勝ち上がり診断(評価A)より引用。
08/02 新馬戦(新潟芝1800m/良) 1:47.8
12.6–11.2–11.1–12.7-13.8-13.1-11.3–11.0–11.0
47.6-13.8-46.4のスロー。やや崩れ気味のスタートから二の脚で先頭に並び掛けるが、主張する内外を行かせて4番手外を宥めながら追走。直線半ばでジワリと先頭に立つと、追い上げる2着との差を縮めることなく1馬身半差で勝利した。レース上がり3Fは11.3-11.0-11.0の猛ラップ。同格同距離に於けるレース上がり1F11.0以下は過去32R確認できるが、その内走破時計1:47.8は、シンエンペラー・ソールオリエンス・ラヴズオンリーユーらを抑えて歴代1位。前週に引き続いての高速馬場と、前半流れて5,6F目が極端に緩むという特殊なラップ構成が味方しているが、高速上がりと追走力の両立を認めて評価する。
二代母キラーグレイシスはハリウッドスターレットS-G1/USAなど北米3勝で、Chocolate Ride(マーヴィンH.ムニスメモリアルH-G2/USA 他)の半姉。母キラービューティはJRA4勝で、キラーアビリティ(ホープフルS-G1 他)の半姉。本馬はゲルチュタール(青葉賞-G2 3着)の半妹にあたる。「エピファネイア×ゼンノロブロイ」はイフェイオン・シーズンズギフト・ヴェローナシチーと共通し、Tri Argo≒I Passを根拠に高打率を誇る配合。「父中長距離×母父中長距離×二代母北米マイラー」も父産駒の鉄板パターンだ。マイルへの短縮で抜群に切れそうな印象はなく、軽めの馬体重からもどちらかと言えばオークスタイプだろう。国枝イズムを継ぐ宮田厩舎所属だからこそ、この新馬勝ちの価値は高い。
2025年度2歳勝ち上がり診断/Hyperion最強
新馬戦で下したパントルナイーフは、その後未勝利→東スポ杯2歳Sを連勝。前走アイビーSは勝ち馬マークの4番手最内を追走し、直線追い上げるも先に抜け出したアンドゥーリルを捕らえ切れず1馬身差の2着。世代最上級牡馬相手の善戦で、評価は高値安定。なお、左前剥離骨折で来春まで休養の見込み。賞金を積めていない点が厳しいが、どうにか優駿牝馬には間に合ってほしい。
小結

小結はカラペルソナとする。以下、勝ち上がり診断(評価A)より引用。
08/30 未勝利戦(中京芝2000m/良) 2:00.5
12.8–11.0-13.0-13.2-12.4–12.2–12.3–11.6–11.0–11.0
62.4-58.1のスロー。大外枠からまずまずのスタート。初角の入りで壁を作れず多少行きたがるも、向正面では折り合いついて好位外目を追走。3,4角からジワリと前との差を詰めると、直線半ばで抜け出し1馬身3/4差で勝利した。レース上がり4F45.9で2歳戦指標(4F46.0以下)をクリア。同格同距離に於けるレース上がり1F11.0以下は現在23R確認できるが、その内走破時計2:00.5は、リオンディーズ・カムニャック・アグネスタキオン・ワグネリアンらを抑え、キラーアビリテイに次ぐ歴代2位。後半からの断続的な流れをラスト11.0-11.0でまとめたラップ構成は見事と言う他なく、高い次元で追走力と上がり性能を示したことを評価する。新馬戦は直線進路が無く、躓いてから外に切り返すロスの多い競馬で度外視。父産駒らしく、ストレスフリーのスムーズな競馬でポテンシャルを最大限に発揮した。
二代母Miss SimpatiaはMiss Lunda(亜オークス-G1/ARG 他)の全妹、Mr. Nancho(パレルモ大賞-G1/ARG 他)の全姉。母カリーナミアはエイコーンS-G1/USAなど重賞3勝で、Miss Match(亜オークス-G1/ARG 他)の半妹。「非SSクロスのエピファネイア×Seattle Slew」はダノンデサイル・イズジョーノキセキと共通。「父長距離×母北米マイラー」の好バランスと緩い父母相似配合で仕上げた、”女ダノンデサイル”のイメージで大体合っている。牝馬ながらデビューから一貫して2000mを使っており、来春の最大目標は間違いなく優駿牝馬。カムニャックの蹄跡で、社台ファームの連覇なるか。
2025年度2歳勝ち上がり診断/Hyperion最強
牡馬相手に挑んだ京都2歳Sでは、最内3番手追走から直線伸びず5着。4角で包まれ外に出せず荒れたインを通した分ではあるが、逃げ馬を交わせなかった点は不満で、レースレベルも然して高くない。この敗戦で評価はかなり難しくなったが、打点の高いムラ駆けタイプと捉えて巻き返しに期待。中1週となる阪神JFの登録は当然無く、年明けから再始動だろう。優駿牝馬で注目。
前頭



前頭は6頭。フェスティバルヒルは新馬戦の数字が余りにも低く勝ち上がり評価Eとしたものの、新潟2歳S・ファンタジーSは共に及第点以上を与えられる内容。今なら外回りマイルに替わってより弾けそうで、これを前頭筆頭とする。なお、こちらも左前剥離骨折のため来春まで休養の見込。タイセイボーグは重賞含め4戦崩れず出力安定、この世代のモノサシ馬。こことの比較でクラシック路線を捉えるとよいだろう。スターアニスは2着を7馬身千切った未勝利勝ちが好時計で、中京2歳S2着も時計自体はかなり優秀。マイルまでならギリギリ持っていい。



非重賞組からは3頭。新馬戦は好内容のレコード勝利、距離延長の白菊賞でもスピードの違いを見せたマーゴットラヴミー(阪神JF登録も次走未定)、例年に引けを取らない数字で出世レース赤松賞を完勝したヒズマスターピース(次走阪神JF予定)、新馬戦で鋭敏に切れたZafonic≒Bold Empress4×4光るマスターソアラ(捻挫・次走未定)を挙げる。