例年血統面からざっくり拾っていた募集馬考察だが、今年は実馬を確認の上、活躍見込・回収見込のありそうな馬と、血統は良いのに……という馬を厳選して紹介する。
2026年度サンデーサラブレッドクラブ募集からは、注目馬5頭+残念馬2頭が対象。
※特に断りのない限り、データ・画像はTARGET frontier JV・JBIS Searchより引用。
参考:2026年度募集世代注目種牡馬考察
注目馬
36.ライツェントの25

父:ルーラーシップ 母父:スペシャルウィーク
生年月日:2025年03月11日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:宮田敬介(美浦) 募集総額:4,000万円(一口100万円)
体高:156.0㎝ 胸囲:176.0㎝ 管囲:20.0㎝ 馬体重:405㎏ (06月01日時点)
雑感:三代母Sonic Ladyは愛1000ギニー-G1/IREなどG1競走3勝含む重賞7勝。二代母ソニンクはHazaam(シュプリームS-G3/GB)・Sharman(ジョンシェール賞-G3)の半妹。母ライツェントはJRA未勝利で、ランフォルセ(浦和記念-Jpn2 他)の半妹、ノーザンリバー(東京盃-Jpn2 他)の半姉。近親にロジユニヴァース(JRA賞最優秀3歳牡馬)・ソングライン(JRA賞最優秀古牝馬/最優秀マイラー)・パンジャタワー(NHKマイルC-G1)。本馬はフリームファクシ(きさらぎ賞-G3 他)の全妹、ディアドラ(秋華賞-G1 他)・リューベック(若駒S-L 他)・オデュッセウス(橘S-OP 他)の半妹で、母18歳時の12番仔にあたる。
「キングカメハメハ父系×ソニンク牝系」は全兄フリームファクシの他、トロヴァトーレと共通。特にルーラーシップとは好相性で、JRA出走勝馬率100.0%(4/4)と外れ無し。また、「ルーラーシップ×Nureyev」は全兄の他、メールドグラース・リオンリオン・フェアリーポルカと共通。ややゆったり目ながら大きなフレームを活かした全身運動が出来ており、母高齢でも出来に関しては心配ない。活躍馬の全弟妹は疑う主義だが、これは良さそう。芝中距離。
「サンデーTC×宮田師」はプロパー所属馬のJRA出走勝馬率60.0%(12/20)、ブレイディヴェーグ(エリザベス女王杯-G1 他)・インダストリア(ダービー卿CT-G3)・ゾロアストロ(きさらぎ賞-G3)と重賞馬3頭を輩出。ノーザンF出身であり、当クラブとの関係も良好。ポジション的には「ポスト国枝」ではあるものの、起用騎手やレース選択で割を食っている感は否めない。本馬に関してもクラシックど真ん中というよりは、ローカル牝馬重賞を狙うイメージ。
49.ヤンキーローズの25

父:イクイノックス 母父:All American
生年月日:2025年02月15日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:中内田充正(栗東) 募集総額:10,000万円(一口250万円)
体高:157.0㎝ 胸囲:174.0㎝ 管囲:20.4㎝ 馬体重:425㎏ (06月01日時点)
雑感:企画注目馬。二代母CondesaarはRedoute’s Dancer(ARCメルセデスダービー-G1/NZ 他)の半妹。母ヤンキーローズはATCサイアーズプロデュースS-G1/AUSなどG1競走2勝の豪最優秀2歳・3歳牝馬で、Miravalle(ITCケンブラグランジクラシック-G3/AUS)の半姉。本馬はリバティアイランド(JRA賞最優秀2歳牝馬・3歳牝馬)の半弟で、母12歳時の7番仔にあたる。
新種牡馬イクイノックスは自身がクラシックディスタンスで活躍したので、短距離G1馬である母との配合はセオリー通り好バランス。「トニービン内包種牡馬×Strawberry Road」は半姉リバティアイランドの他、ドウデュース・ヴァレーデラルナ・ハーパーと共通。所謂「ライバルの血」配合となる点も含め、父ともニックスの関係になる可能性が高い。父産駒らしい上品なシルエットに、二代母Condesaar(Best in Show3×4)から伝わる早熟性の高い筋肉量をプラス。あまり伸びない硬めの歩様は、姉もそうだったので過度に気にしなくてよい。母産駒は初年度からずっと推しているが、本馬も上に見劣らない好素材。芝マイル~中距離。
「サンデーTC×中内田師」はプロパー所属馬のJRA出走勝馬率83.3%(10/12)、本馬の半姉リバティアイランド(JRA賞最優秀2歳・3歳牝馬)の他、グレナディアガーズ(朝日杯FS-G1 他)・クイーンズウォーク(ローズS-G2 他)・フロンティア(新潟2歳S-G3)と重賞馬4頭を輩出。早期から仕上げる厩舎スタイルも合いそうで、阪神JF→桜花賞の牝馬クラシック王道路線に乗せたい。
51.クロノジェネシスの25

父:イクイノックス 母父:バゴ
生年月日:2025年04月02日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:杉山晴紀(栗東) 募集総額:10,000万円(一口250万円)
体高:149.0㎝ 胸囲:168.0㎝ 管囲:19.4㎝ 馬体重:389㎏ (06月01日時点)
雑感:母クロノジェネシスは有馬記念-G1などG1競走4勝含む重賞6勝のJRA賞特別賞受賞馬で、ノームコア(香港C-G1 他)の半妹。近親にフサイチリシャール(朝日杯FS-G1)。本馬はベレシート(京都新聞杯-G2 2着 他)の半妹で、母9歳時の3番仔にあたる。
「イクイノックス×北米マイラー牝系」は前述の通り好バランス。ステラヴェローチェ・ワンダーディーンと共通する「ディープインパクト=ブラックタイド×バゴ」、スキルヴィングと共通する「キタサンブラック×Machiavellian=Coup de Genie」、ウィルソンテソーロ・ガイアフォースと共通する「キタサンブラック×French Deputy」と、3種のニックスを内包。遅めの生まれ且つこの配合なので、現状サイズ感は見劣りするものの、強い前進気勢と推進力を感じる動きの良さを評価したい。芝中距離~長距離。
「サンデーTC×杉山晴師」はプロパー所属馬のJRA出走勝馬率16.7%(1/6)、ゲルチュタール(日経新春杯-G2)が活躍。リーディング常連の現役トップトレーナーであることは間違いないが、ノーザンFとの関係は浅く、これまでの活躍馬も個人馬主寄りの傾向。母所縁の斉藤崇師から離れる点も含めてやや匂う配置ではあるが、ダービー優勝で潮目が変わったか……?父母と同じく、古馬王道路線・グランプリでの活躍に期待。
65.グルヴェイグの25

父:サートゥルナーリア 母父:ディープインパクト
生年月日:2025年05月04日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:池添学(栗東) 募集総額:6,000万円(一口150万円)
体高:151.5㎝ 胸囲:166.5㎝ 管囲:20.5㎝ 馬体重:383㎏ (06月01日時点)
雑感:二代母エアグルーヴは天皇賞(秋)-G1などG1競走2勝含む重賞7勝のJRA賞年度代表馬。母グルヴェイグはマーメイドS-G3などJRA5勝で、ルーラーシップ(クイーンエリザベスⅡ世C-G1 他)・アドマイヤグルーヴ(JRA賞最優秀古牝馬)・フォゲッタブル(ステイヤーズS-G2 他)の半妹。近親にドゥラメンテ(JRA賞最優秀3歳牡馬)・ジュンライトボルト(チャンピオンズC-G1)・ミッキーファイト(JBCクラシック-Jpn1 他)。本馬はアンドヴァラナウト(ローズS-G2 他)・ヴァナヘイム(京都2歳S-G3 2着 他)・ゴルトベルク(JRA4勝)・クファシル(JRA4勝)の半弟で、母17歳時の10番仔にあたる。
「キングカメハメハ父系×エアグルーヴ牝系」は半姉アンドヴァラナウトの他、ドゥラメンテ・ルーラーシップ・ジュンライトボルト・レッドモンレーヴ・グルーヴィットと共通。母高齢且つ遅生まれだが、馬格は水準以上で動きも実に滑らか。昨年募集の半姉リサナウトもPOG推奨としたが、募集時点での出来だけなら、コチラが数段上に映る。芝マイル~中距離。
「サンデーTC×池添師」はプロパー所属馬のJRA出走勝馬率70.0%(21/30)、マッドクール(高松宮記念-G1 他)・本馬の半姉アンドヴァラナウト(ローズS-G2)が活躍。ノーザンF出身であり、当クラブとの関係も良好。とはいえ王道路線の主役級は中々回ってこない印象が強く、本馬に関しても牡馬クラシックを最大目標としつつ、ゆくゆくはマイルにシフトしていくイメージで。
78.ドナウブルーの25

父:シュネルマイスター 母父:ディープインパクト
生年月日:2025年04月18日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:斉藤崇史(栗東) 募集総額:5,000万円(一口125万円)
体高:149.0㎝ 胸囲:164.0㎝ 管囲:20.4㎝ 馬体重:388㎏ (06月01日時点)
雑感:企画注目馬。二代母ドナブリーニはチェヴァリーパークS-G1/GBなど重賞2勝で、Magical(ウィルロジャーズH-G3/USA)の半妹。母ドナウブルーは関屋記念-G3など重賞2勝含むJRA5勝で、ジェンティルドンナ(JRA賞年度代表馬)の全姉。近親にロジャーバローズ(東京優駿-G1)・ジェラルディーナ(JRA賞最優秀古牝馬)。本馬はドナウデルタ(信越S-L 他)・イシュトヴァーン(コーラルS-L 2着)・ディアナザール(JRA4勝)の半弟で、母17歳時の11番仔にあたる。
新種牡馬シュネルマイスター(もといその父Kingman)の構成血脈は、Danzig・Gone West・Dancing Braveなど、ディープインパクトとニックスの関係にあったものが多い。中長距離血脈を取り込む意味でも、ディープインパクト系肌との配合は高評価。世界的名牝Courtly Deeを含む、Green Desert≒Bertolini4×3のニアリークロスも面白い。母高齢・遅生まれを考慮すれば、現状文句の無いサイズ感と筋肉量。芝短距離~マイル。
「サンデーTC×斉藤崇師」はプロパー所属馬のJRA出走勝馬率60.9%(14/23)、クロワデュノール(JRA賞最優秀2歳牡馬)・クロノジェネシス(JRA賞特別賞)・ベレシート(京都新聞杯-G2 2着 他)が活躍。ノーザンF出身であり、当クラブとの関係も良好。近親ジェラルディーナ(石坂正厩舎より転厩)・半兄ディアナザールなど、この血統の走る馬を扱っている点もよい。父と同じく3歳マイル王を狙える好素材。
残念馬
02.アエロリットの25

父:イクイノックス 母父:クロフネ
生年月日:2025年02月12日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:木村哲也(美浦) 募集総額:12,000万円(一口300万円)
体高:160.5㎝ 胸囲:180.0㎝ 管囲:21.3㎝ 馬体重:487㎏ (06月01日時点)
雑感:母アエロリットはNHKマイルC-G1など重賞3勝、Akari(VRC Desirable S-L/AUS 他)の半姉。近親にミッキーアイル(JRA賞最優秀短距離馬)・ラッキーライラック(JRA賞最優秀2歳牝馬)。本馬は母11歳時の4番仔にあたる。
新種牡馬イクイノックスは欧州色の強い中距離馬なので、北米短距離~マイル血脈と好相性が見込める。本馬は北米快足牝系出身のマイルG1馬との配合で、文句なしの好バランス。ウィルソンテソーロ・ガイアフォースと共通する「キタサンブラック×French Deputy」、ピコチャンブラックと共通する「キタサンブラック×ネオユニヴァース」のニックスを内包する、狙い澄ました配合。芝マイル~中距離。
「サンデーTC×木村師」はプロパー所属馬のJRA出走勝馬率66.0%(35/53・岩戸期含む)、レガレイラ(JRA賞最優秀古牝馬)・チェルヴィニア(JRA賞最優秀3歳牝馬)・ジオグリフ(皐月賞-G1 他)・ステルヴィオ(マイルCS-G1 他)・ノッキングポイント(新潟記念-G3)・プレサージュリフト(クイーンC-G3)と重賞馬6頭を輩出。母所縁の菊沢師からNF系クラブ最重用厩舎へのシフトは、期待の高さが窺える。
本馬の残念ポイントはデカ過ぎること。私の観測範囲では、40口クラブ募集時馬体重(6月頃)460㎏を超える超重量級からは、重賞馬が1頭も出ていない。近いレベルの大型馬で走った例としては、ブラックオリンピア(募集時460㎏→青葉賞-G2 3着)・コマンドライン(募集時459㎏→サウジアラビアRC-G3)・ベルクレスタ(募集時459㎏→アルテミスS-G3 2着)が挙げられるが、価格・下馬評に見合う活躍かと言われると疑問が残る。各馬の成長段階に大きな差があるこの時期に於いて、雄大な馬格は非常に魅力的であり、牧場評価≒募集時人気が高騰しがち。しかしこれらは早熟早枯の傾向が強く、期待ほど大成しないパターンが殆どである。本馬も現状の出来の良さは認めるが……。スケールが桁違いであることを信じるなら。
67.アンドヴァラナウトの25

父:ドレフォン 母父:キングカメハメハ
生年月日:2025年01月31日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:高柳大輔(栗東) 募集総額:5,000万円(一口125万円)
体高:148.0㎝ 胸囲:164.5㎝ 管囲:19.3㎝ 馬体重:366㎏ (06月01日時点)
雑感:三代母エアグルーヴは天皇賞(秋)-G1などG1競走2勝含む重賞7勝のJRA賞年度代表馬。二代母グルヴェイグはマーメイドS-G3制覇、ルーラーシップ(クイーンエリザベスⅡ世C-G1 他)・アドマイヤグルーヴ(JRA賞最優秀古牝馬)・フォゲッタブル(ステイヤーズS-G2 他)の半妹。母アンドヴァラナウトはローズS-G2などJRA3勝。近親にドゥラメンテ(JRA賞最優秀3歳牡馬)・ジュンライトボルト(チャンピオンズC-G1)・ミッキーファイト(JBCクラシック-Jpn1 他)。本馬は母7歳時の初仔にあたる。
ミッキーファイト・デシエルトと共通する「ドレフォン×エアグルーヴ牝系」、ジオグリフ・トウカイマシェリ・アンデスビエントと共通する「ドレフォン×キングカメハメハ」、ワープスピードと共通する「ドレフォン×ディープインパクト」と、3種のニックスを内包。某サイトで下馬評1番人気となったのも納得のカタログスペック。芝ダート兼用マイル~中距離。
「サンデーTC×高柳大師」はプロパー所属馬のJRA出走勝馬率100.0%(3/3)、ミュージアムマイル(JRA賞最優秀3歳牡馬)・セファーラジエル(白百合S-L)が活躍。ノーザンF出身であり、当クラブとの関係も良好。初期はダートでの活躍が目立ったが、昨年クラシックを制したことで次世代の栗東主力厩舎として推される可能性は高い。
本馬の残念ポイントはサイズ不足。小柄な母の初仔なので覚悟はしていたが、それにしても1月生まれでコレは中々厳しい。横見自体は悪くなく、硬めの歩様も父産駒としては及第点レベルだが……。ここからの急成長に期待するなら。