※来年のクラシック(皐月賞・東京優駿・菊花賞)を想定した25.12.09現在の番付であり、朝日杯FS・ホープフルSの予想そのものではありません。悪しからず。
※特に断りのない限り、データ・画像はTARGET frontier JV・JBIS Searchより引用。
参考記事
番付表

横綱
この世代の牡馬は、「これはG1級だ」と言い切れる馬が現時点では見当たらない。22年も近しい状況で、結局キングズレインを横綱に据えたが、後々まで反省の念が強く残る番付だった。そんな訳で各方面に申し訳ないが(?)横綱は不在とする。
大関

大関はアンドゥーリルとする。新馬戦はスローペースを追い込み、チュウワカーネギー(勝ち上がり評価A)の2着。続く未勝利戦(中京芝1600m)は道中緩まない46.6-46.6のイーブンラップを中段から突き抜け、5馬身差での圧勝。勝ち上がり評価Bを与えた。ひと息入れて臨んだアイビーSでは、48.1-12.2-46.5の超後傾ラップを離れた番手から直線早めに抜け出し、アートバーゼル(勝ち上がり評価A・牝馬関脇)を1馬身差押さえ込んで勝利。流れの異なるハイレベルなレースで3戦ともに安定した成績を残している点を高く評価する。
母アンドラステは中京記念-G3などJRA5勝の長めマイラー。「サートゥルナーリア×オルフェーヴル」はショウヘイと共通し、Nasrullah×Hyperion的方向に振るのは父産駒の成功パターン。Northern Dancer血脈が濃い父・母父の組み合わせなだけに、二代母ヴァリディオルがNorthern Dancerを全く引かない、綺麗な「3/4ND・1/4異系」になる本馬の方が構成としては褒めやすい。父産駒らしい溜めてのキレが持ち味だが、対応幅は広い短め中距離馬。この配合だけに多頭数で包まれた際の挙動は気になるところで、次走ホープフルSが試金石となる。内容次第では横綱昇格も。
関脇

関脇はラヴェニューとする。以下、勝ち上がり診断(評価A)より引用。
11/08 新馬戦(東京芝1800m/良) 1:46.7
13.3-11.7–12.2–12.3–11.6–11.5–11.6–11.3–11.2
49.5-11.6-45.6のスロー。まずまずのスタートから控えて外3,4番手追走。3角から促しながら逃げ馬を捕まえに動き出し、直線半ばで先頭。一旦後続を引き付けると、ラスト300mから追い出し再加速。そのまま突き抜け5馬身半差で勝利した。レース上がり5F57.2・4F45.6で、それぞれ2歳戦指標(5F58.0以下・4F46.0以下)をクリア。特に上がり5Fは、クロワデュノール・ジオグリフの新馬戦(5F57.3)、コントレイル・イクイノックスの東スポ杯2歳S(5F57.4/57.6)を抑えて同距離歴代1位。11.6-11.5-11.6-11.3-11.2の流れを自ら生み出し、先行各馬を捻じ伏せる強い競馬で、見た目通り若しくはそれ以上の圧勝と評価する。
二代母Gold VaultはPomeroy(キングスビショップS-G1/USAなど重賞4勝)の半姉。母コンテスティッドはテストS-G1/USAなどG1競走2勝含む重賞3勝の北米マイラー。本馬はギベオン(金鯱賞-G2 他)の半弟にあたる。In Reality5×(5×6)・Storm Cat×Deputy Ministerの字面ならもっとガチガチのマイラーに出そうなものだが、この条件で新馬勝ちさせて「距離延長させてもよさそう」と言い切る辺りは流石友道師。個人的には素直にマイル路線で見たい。余談だが、本馬は23年セレクトセール当歳セッションにて香港のオーナーが2億円(税抜)で落札した後、24年セレクトセール1歳セッションに再上場、1億7,000万円(税抜)で落札されたという経歴を持つ。平田オーナーは重賞タイトルに中々手が届かないが、謎の巡り会わせで手にした期待の大物で遂に戴冠となるか。
11月末時点では入厩情報が無かったため年内休養かと思われたが、急遽ホープフルS参戦の一報が入り、この週末から時計を出し始めている。某大物生産者から「来年のダービー馬だ!」という発言が出たという噂も……。
小結

小結はパントルナイーフとする。新馬戦はアートバーゼル(勝ち上がり評価A・牝馬関脇)を捕らえ切れず2着で、続く未勝利戦(中山芝1800m)は1.1倍の断然人気を背負っての勝利。テンから12秒台半ばが続き、ラスト2Fだけ11.9-11.3というラップ構成で、終いの加速は目立つものの勝ち上がり評価Dとした。そんな状況で特に期待していなかった東スポ杯2歳Sだが、道中先団やや離れた位置から3,4角で差を詰め、直線やや遅れて加速するゾロアストロの追撃をアタマ差凌ぎ切って勝利した。レース上がり5F57.5・4F45.0で、それぞれ2歳戦指標(5F58.0以下・4F46.0以下)をクリア。特に上がり4Fは、チェルヴィニアの未勝利戦(45.2)、ジオグリフの新馬戦(45.3)、クロワデュノールの新馬戦(45.4)を抑え、ゾロアストロの未勝利戦と並ぶ同距離歴代2位タイ。出世レースと名高いこのレースだが、数字だけで言えばイクイノックス・コントレイル・クロワデュノールといった錚々たる面子を上回る値を叩き出している。開催最終盤ながら異常なレベルで時計が出る馬場ではあったため若干怪しさは残るものの、流石に上位に入れない訳にはいかないと判断した。

【参考】2歳芝1800m上がり4Fランキング (1986~2025.12.07)
(赤字:期間内G1勝利 青字:期間内重賞勝利・G1入着 黄背景:25年施行)
二代母イグジビットワンはパオロメッツァノッテ賞-G3/ITYなど重賞2勝。母アールブリュットは持込のマクフィ産駒でJRA4勝、メートルダール(中日新聞杯-G3)の半姉。本馬はパラレルヴィジョン(ダービー卿CT-G3 他)の全弟にあたる。「キズナ×Green Desert×Sadler’s Wells」はこの兄弟の他にバスラットレオンなどと共通し、パワーマイラーに寄る配合。兄は芝中距離でキャリアを重ねた後、4歳秋にダートマイルでOP入り、芝に戻してマイルでL・重賞を連勝と紆余曲折を経て大成。本馬は兄ほどの硬さはないもののタイプとしては長めマイラーくらいの印象で、今後は距離延長への対応が鍵となる。
前頭



例年このクラシック番付ではマイル路線の馬を省いていたが、今年は中距離路線よりも現状こちらの方が明らかに層が厚い。中でも抜けてハイレベル戦となったのがデイリー杯2歳Sで、荒れた内を突くマッチレースでレコード決着を演出したアドマイヤクワッズ・カヴァレリッツォは、朝日杯FSでも当然勝ち負け候補筆頭となる。気性面に課題を抱えつつも、成長力と距離延長への可能性から、後者を前頭筆頭とする。中距離路線の重賞既出走組からはゾロアストロ。未勝利勝ちの数字が中々強烈で勝ち上がり評価Bを与え、サウジアラビアRC(3着)・東スポ杯2歳S(2着)と崩れず上位入着を繰り返している。父産駒らしからぬ細身しなやか体質で、距離は更に伸ばしてよい印象。



非重賞組からは3頭。ベレシートは出遅れ最後方から豪快に捲り差した新馬戦が大物感たっぷり。数字自体は全く足りないので、次走予定のエリカ賞でどこまで上げてくるか。グリーンエナジーはハイレベルな開幕東京新馬戦でダノンヒストリー(評価B)の3着の後、長欠明けの未勝利戦を好ラップで3馬身差完勝。これで競走中鼻出血を発症していたというのも驚きで、ポテンシャルは相当なものかもしれない。ソラネルマンは未勝利逃げ切りが馬場を考慮すると中々の好時計。フィエールマン産駒だけに距離は伸ばして良さが出そうな印象で、菊花賞で注目。