種牡馬キタサンブラックを考える【2024年最新版】

※各種データは2023.12.31現在に更新。

※特に断りのない限り、データ・画像はTARGET frontier JV・JBIS Searchより引用。

基本情報

繫養:社台スタリオンステーション(2018-)

生年:2012年 生産:ヤナガワ牧場

競走成績

JPN:20戦12勝

2016年度 JRA賞年度代表馬/最優秀4歳以上牡馬

2017年度 JRA賞年度代表馬/最優秀4歳以上牡馬

2015 G1-菊花賞(京都3000m)1着

2016 G1-天皇賞(春)(京都3000m)1着

2016 G1-ジャパンC(東京2400m)1着

2017 G1-大阪杯(阪神2000m)1着

2017 G1-天皇賞(春)(京都3000m)1着

2017 G1-天皇賞(秋)(東京2000m)1着

2017 G1-有馬記念(中山2500m)1着

2015 G2-スプリングS(中山1800m)1着

2015 G2-セントライト記念(中山2200m)1着

2016 G2-京都大賞典(京都2400m)1着

2016 G1-有馬記念(中山2500m)2着

2015 G1-皐月賞(中山2000m)3着

2015 G1-有馬記念(中山2500m)3着

2016 G1-宝塚記念(阪神2200m)3着

2017 G1-ジャパンC(東京2400m)3着

2016 G2-産経大阪杯(阪神2000m)2着

種付状況

JRA産駒成績

所感

 二代母オトメゴコロはCee’s Tizzy(Tiznowの父)の半妹で、JRA4勝のスプリンター。父母ともに北米産でありながら、Stafaralla=Sind6×6など重厚な欧州血脈のクロスを複数持つ点が趣深い。母シュガーハートは未出走も、繁殖としては優秀。中央出走産駒7頭中3頭が勝ち上がり、ショウナンバッハ(G3-中日新聞杯 2着)・エブリワンブラック(Jpn2-ダイオライト記念 2着)と、本馬を含む3頭全てが重賞好走実績を持つ。本馬は父の3世代目産駒、母7歳時の3番仔にあたる。

父Solario×母Mirawalaの全兄妹。

 父ブラックタイドは22戦3勝、重賞タイトルはG2-スプリングSのみ。種牡馬としては二流・三流の競走成績しか持たず、日本近代競馬の結晶ディープインパクトの全兄という血統面での需要から、弟に続く形でスタッドインした。2頭の母であるウインドインハーヘアはFair Trial~Court Martial(Son-in-Law)・Gainsborough~HyperionといったBay Ronald的ステイヤー血脈が凝縮された配合で、G1-アラルポカル(GER)を制し、G1-英オークス(GB)2着・G1-ヨークシャーオークス(GB)3着。ディープインパクトはこのスタミナをベースとしつつ、Halo≒Sir Ivor的なしなやかさを最大の武器として一時代を築いたが、ブラックタイドは主としてこの持続力を素直に伝える種馬として細々と結果を残してきた。

 本馬はLyphard4×4で父から受け継いだ持続力を累進。北米牝系や母父サクラバクシンオーのスピードを先行力に転化しており、自らペースメイクし後続を捻じ伏せる横綱競馬で天下を取った。ラストイヤーまで大きな怪我もなく第一線で戦い抜いたタフネスと成長力からは、Hyperionの影響力を感じ取ることができる。…と後から説明は出来るものの、デビュー以前血統表を見た時点で、これ程までの活躍を想像できた血統評論家は果たしているのだろうか。今の私には、『様々な要素が噛み合いに噛み合った結果の怪物』としか表現できない。

 産駒の主戦場は芝中距離だが、ダート・短距離・マイルといった幅広いカテゴリで上級馬を輩出。現段階での重賞馬は6頭中5頭が牡馬。アベレージから見ても明らかにコルトサイアーと言える。これは父ブラックタイドと共通しており、直仔世代・孫世代ともに牝馬優勢であるディープインパクトのサイアーラインとの違いは興味深い。『牝馬的しなやかさ』のディープインパクトに対し、『牡馬的持続力』のブラックタイドということなのだろう。

 500万円でスタートした種付料も一時は300万円まで低迷したが、初年度産駒イクイノックスの活躍により22年には初年度水準まで回復し、種付頭数もキャリアハイを更新した。翌23年には種付料1,000万円の大台に到達、24年は更に倍の2,000万円で同年最高額(タイ)となった。

 自身がステイヤーとして活躍したので、産駒の代ではまずスピードを補完することを最優先にするべきであり、その第一手となるのがHalo≒Sir Ivor。特にMachiavellianOrpenといった「Halo×Raise the Standard」血脈によって、シュヴァルグラン・サトノクラウン・サトノダイヤモンドといった現役時代の『ライバルの血』を取り込む形は趣深い。

Machiavellian(Coup de Folie)やOrpen(Bonita Francita)からスピードを補給。

 産駒G1馬2頭はニアリーHalo≒Sir Ivor血脈に加えて、それぞれNureyev≒Sadler’s Wellsを内包。Special血脈によって底力を更に増幅させることが、超大物を輩出するのに必要な最後の一手間となっている。キングカメハメハ肌(Nureyev内包)も抜群のアベレージを誇り、ここでも『ライバルの血』がもたらす影響を感じられる。米英のスピード・パワー・スタミナを満遍なく取り込む『強欲な配合』で最大打点を出しているとも言えるか。

Special血脈のクロスを持つ母との配合もハマっている。

 ディープインパクトはStorm Cat・Unbridled’s Songといった二大北米スピード血統との組み合わせで活躍馬を輩出したが、現時点ではこれらとの配合から目ぼしい大物は出ていない。一方でフレンチデピュティ~クロフネのラインは、両者に共通して好相性。ただし馬力の方向に過剰に振れてしまうのか、思いのほか距離適性が短い場合やダート馬になる場合が多く、芝中距離王道路線で活躍するオーソドックスな父産駒を求める場合は注意が必要。

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