【2024年度2歳勝ち上がり診断】評価A該当馬を考える【06/01~06/02】

2歳芝新馬戦・未勝利戦の優勝馬について、パフォーマンスと血統から将来性を独断と偏見で評価評価A(重賞級)該当馬について、レース内容と血統を考察する。

※特に断りのない限り、データ・画像はTARGET frontier JVより引用。

※掲載順は時系列による。

ダノンフェアレディ

06/01 新馬戦(京都芝1600m/良) 1:33.8

 48.0-45.8のスロー。最内枠から好発を決め、早々に先頭へ。4角で番手ショウナンザナドゥ(2着)と供にペースを上げると、直線早めに抜け出しリードを保ったまま1/2馬身差で勝利した。走破時計1:33.8は2歳6月芝1600mに於いてグランアレグリアに次ぐ歴代2位の記録。同条件新馬戦では秋開催を含めても歴代1位となる。Cコース替わり初週ということもあり、同日同距離3歳未勝利で1:32.6が出る高速馬場ではあったが、それを考慮しても相当な時計であることには違いない。レース上がり4F45.8は2歳芝1600mの指標(4F46.0以下)をクリア。60.0-33.8という2歳新馬離れしたラップタイムの出方にも好感が持てる。鞍上川田で新馬戦から逃げる形になるのは珍しいパターンだが、今回に関しては追走力の違いと枠順によるものが大きい。とはいえ、外から圧を掛けられたときに敏感に反応する様子が見られるなど、気性面は少し気になるところ。今後も継続騎乗が望ましい。

【参考】2歳6月芝1600m走破時計ランキング (1:35.0以下のみ/1986年以降)

(赤字:期間内重賞勝利 青字:期間内OP勝利相当)

 二代母Aqui LuluはGran Estreno(G1-亜ジョッキークラブ大賞典 他)の全妹。母メチャコルタはG1-亜1000ギニー大賞典(1600m)など亜4勝。本馬はダイヤモンドハンズ(G3-札幌2歳S 3着)の半妹にあたる。「キズナ×Gone West」はマルターズディオサ・ステラリアなどと共通。南米牝系で早期デビューのダノン冠牝馬といえばダノンファンタジーを思い出すが、本馬も似たような印象。奥がある訳ではなさそうだが、完成度の高さを武器に2歳暮れから春クラシックにかけてタイトルを狙える1頭だろう。438㎏とやや小柄なので、しっかりと馬体を増やして秋の重賞戦線に臨みたい。

ミリオンローズ

06/02 新馬戦(東京芝1600m/稍重) 1:36.4

 50.0-46.4の超スロー。煽り気味のスタートから行きたがるのを抱え込んでインベタ3,4番手を追走。直線ラスト2Fで最内を突いて抜け出すと、内・外から詰め寄る2,3着馬を凌いで1/2馬身差で勝利した。2歳芝1600m新馬・未勝利のレース上り1F11.0以下計時レースに於いて、走破時計1:36.4はラッキーライラックと並ぶ歴代7位の記録。抜け出してからの上がり2Fで11.0-10.9の加速ラップを叩き出したのは、1000m通過62.7の超どスローを考慮しても優秀。今回のレース振りを見る限り、ある程度流れるペースの方が競馬はし易いタイプで、上級条件で更にパフォーマンスを上げてきそうだ。新馬戦らしからぬ進路取りからも競馬センスの高さを感じられる。

【参考】2歳芝1600m新馬・未勝利走破時計ランキング (レース上がり1F11.0以下のみ/1986年以降)

(赤字:期間内重賞勝利 青字:期間内OP勝利相当)

 母マンビアはG3-カルヴァドス賞など仏4勝。繁殖としても優秀で、本馬を含めJRA出走7頭中6頭が勝ち上がり、内3頭が準OPクラスまで出世している。母父Aldebaran(アルデバランⅡ)は名門Best in Show牝系で、その母Chimes of Freedomは各種名牝のクロスを大量に重ねる名配合。BMSとしての評価が非常に高く、これが母マンビアの繁殖能力の高さに寄与していることは間違いない。本馬は父スワーヴリチャードの配合ポイントであるSeattle Slewを直接クロス5×5で重ねるなど、Nasrullah×Princequillo×Le Troienne血脈を強く刺激した配合。府中の長い直線をフルに活かす競馬でこそ、本馬の真価が発揮されるはず。アベレージタイプの母から遂に大物誕生か。

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