阪神は5回開催6日目でAコース継続、この開催に於いて最もコンディションの悪い状態で行われる。先週は日曜朝からの降雨で昼過ぎには重馬場まで悪化、メインは外差し勢が掲示板を独占する結果となった。今週も日曜明け方から昼頃まで雨予報となっており、更なる馬場悪化は免れない。
ペースメーカー候補はホウオウアマゾン。矢作師は「出たなりの競馬で」とコメントしており、どスローで一団の競馬が考えやすい。馬場状態も加味すると、内枠各馬は如何にして外に出すかが課題となる。要するに、昨年と全く同じ展開になる可能性が非常に高い。
◎④シュネルマイスターとする。本邦でも一大勢力を築く独Sライン出身で、母セリエンホルデはG1-独オークス制覇。父Kingmanは現役時代8戦7勝、カルティエ賞年度代表馬となった名マイラー。『父マイラー×母中距離』に加え、二代母SaldenehreがNorthern Dancerを引かない『3/4ND・1/4異系』の好配合、Kris4×5で底力を増幅した本格派マイラー。毎日王冠の見事な差し切りを見る限り、ピュアマイラーというより1800mベストで、古馬マイルG1ではあと一歩足りない競馬が続く。春のドバイターフは念願の1800mG1だったが、パンサラッサのハイペースにまともに付き合い末脚不発。前走スプリンターズSでは思いの外好ダッシュを決めてしまい、33.9-34.4で9着凡走。二代母父Highest Honorらしく、スローで溜めて差す形がベストだ。昨年は内枠から外に出せず、終始荒れた内を走り続けてグランアレグリアの2着。今年も内枠を引いてしまったため難しい競馬にはなるが、鞍上ルメールであれば、グランアレグリアのように最後方から大外一気の選択肢もあり得るのでは。手塚師もインタビューで触れていたように、種牡馬価値を高めるためにもそろそろ2つ目のタイトルを取っておきたい。今年こそ、そして今週こそ、独の名血が仁川を制す。
〇⑤サリオスは、シュネルマイスターと同じ独Sライン出身。ハーツクライよりもDanehillが想起される巨漢で、堀師が頑なにマイラー説を主張するように、典型的な中距離馬でないことは間違いない。とはいえやはりこの配合からピュアマイラーが出るとも考え難く、ベストパフォーマンスは東京1800mの毎日王冠、マイルG1であと一歩足りない競馬が続くのもその辺りが原因だろう。重馬場での好走実績は無いが、荒れた内を突いてコントレイルの2着に迫った皐月賞を見る限り、今回の馬場はこなせる。状況の似通うこの2頭のワンツーに期待したい。
相手は△⑪ソウルラッシュ、△⑮ダノンスコーピオン、△⑩セリフォスの順に推奨。ソダシは道悪自体は問題ないが、本質的には高速馬場がベスト。並び的にも逃げない限り内に閉じ込められる可能性が高く、『強い競馬をしたが…』のパターンに終わるのでは。
最終印
◎④シュネルマイスター
〇⑤サリオス
△⑩セリフォス
△⑪ソウルラッシュ
△⑮ダノンスコーピオン