エリザベス女王杯予想2022『雨に唄うは独牝系』

 3年連続で京都競馬場改修工事による変則阪神開催。近2年は共に先行馬壊滅、捲り差し勢が上位を独占している。宝塚記念と同コースで、開催時期の違いから馬場の傷み具合こそマシなものの、タフなコースであることは間違いない。加えて今年は当日雨予報となっており、よりその傾向が顕著に表れる可能性が高い。

 ペースメーカー候補はローザノワール。同型不在かつ大逃げを打つタイプでもないので、前半のペースはそこまで上がらないだろう。2番手以降の先行勢には人気の一角スタニングローズが控えており、秋華賞の流れを考えれば、3-4角から動き出すロングスパート持続戦の形が濃厚。道悪馬場も加味して、上がり36秒台のズブズブの差し比べで想定する。

 ◎⑤マジカルラグーンで振り回してみたい。本馬は愛国産だが独Nラインの出身。母Night Lagoonは、G3-ヴィンターケーニギン賞(GER)を制したマイラー。半兄ノヴェリストは、G1-キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSでコースレコードを2.18秒更新するなどG1競走4勝を挙げ、種牡馬として本邦に輸入されている。配合のパターンとしてはその兄と似通い、ノヴェリストはNorthern Dancerを引かない独の大種牡馬Monsunとの組み合わせで『1/2ND・1/2異系』、本馬は欧州Northern Dancer本流のSadler’s Wellsと重厚な独Aラインの名繁殖Urban SeaからなるGalileoとの組み合わせで『3/4ND・1/4異系』。共に『父中長距離×母マイラー』の好型となる。通常、海外馬が日本のレースに参戦するにあたっては日本の高速馬場に対応できるかが争点となるが、今回の想定であればそこは問題にならない。今年の欧3歳牝馬は、英オークスや先日のBCフィリー&メアターフを制したTuesdayを筆頭にハイレベルな世代と見ており、愛オークスを制した本馬も例外ではない。それに対して、現在日本の牝馬中距離路線は2,3年前と比べると格段にレベルが劣る。付け入る隙は充分にあるだろう。陣営は既に次走ジャパンCに向かうことを発表しており、その自信の高さが窺える。昨年の凱旋門賞よろしく、雨馬場を味方に独の名血が仁川で躍動する。

 ◯⑩スタニングローズとナミュールの高野二騎は地力最上位も、秋華賞のデキが抜群だっただけにどれだけお釣りがあるか疑問。特に後者は本質的に大箱マイラーで、この条件では前走以上に買いにくい。ピンハイは秋華賞を賞金除外も、同日の西宮Sを破格のパフォーマンスで勝利。春クラシックでの活躍がフロックではないことを証明したが、血統的根拠の乏しさはどこまで行っても付き纏う。タックスヘイブン牝系であれば3着が関の山では。

 ▲④デアリングタクトは、古馬になってからのベストパフォーマンスが今回と同条件の宝塚記念(3着)だったように、良くも悪くも緩さが消えて内回り向きの機動力に振れてきた。ただし近走の結果を見る限りピークアウトしている可能性は否めず、ここは単穴まで。

 紐に押さえるのであれば、地力上位の△⑧アンドヴァラナウト△⑱ジェラルディーナ、昨年と近い条件でリピートの可能性がある△⑦イズジョーノキセキ△⑭アカイイト

最終印

 ◎⑤マジカルラグーン

 〇⑩スタニングローズ

 ▲④デアリングタクト

 △⑦イズジョーノキセキ

 △⑧アンドヴァラナウト

 △⑭アカイイト

 △⑱ジェラルディーナ

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