2022ノルマンディーOC1次募集血統雑感

 2022年10月06日、ノルマンディーOC2021年産募集馬ラインナップが公開された。カタログ情報の公開は10月20日だが、現在判明している情報から気になる馬についてサラっと触れておく。参考程度に。

エメラインの21(牡)

父:ビッグアーサー 母父:マンハッタンカフェ 生産:バンブー牧場

 セレクションセールにて2,100万円で落札。母7歳時の3番仔。2歳世代が好調のビッグアーサー産駒だが、ブトンドール(G3-函館2歳S)をはじめ、Caerleonなどで緩める配合がハマっている。二代母オークションルームはBest in Show5×4と意欲的な配合で要注目も、この締まりの強さは父にとっては微妙な相性。ただしバンブー牧場生産のビッグアーサー産駒は、勝馬率66.7%(4/6)と愛を感じられる成績。セリ場では、力感目立つ好馬体でこの値段も納得の出来栄えだった。芝ダート兼用スプリンター。

オルレアンローズの21(牝)

父:イスラボニータ 母父:ベーカバド 生産:岡田スタッド

 母8歳時の初仔。母オルレアンローズは中央4勝の芝マイラーで、マイネルホウオウ(G1-NHKマイルC)の半妹。イスラボニータ×フレンチデピュティはニシノレバンテ(黒松賞)と共通し、勝馬率46.2%(6/13)、平均本賞金額586万円。イスラボニータ×In Realityはプルパレイ(G3-ファルコンS)と共通し、勝馬率50.0%(10/20)、平均本賞金額940万円。ともにイスラボニータ産駒全体の勝馬率30.7%(35/114)、平均本賞金額504万円を超えるため、ニックス判定ができる。Man o’Warを強調しながら、Milan Mill6×6の牝馬クロスもアクセントに加えた、”フレンチ使い”岡田牧雄らしい狙い澄ました好配合。芝スプリンター。

タニノハイクレアの21(牝)

父:キズナ 母父:クロフネ 生産:岡田スタッド

 母17歳時の10番仔。母タニノハイクレアは名の通りHighclere牝系で、中央4勝の芝スプリンター。キズナ×クロフネはクリスティ(L-六甲S)、テリオスベル(スレイプニルS)と共通し、勝馬率54.5%(12/22)、平均本賞金額1,833万円。キズナ産駒全体の勝馬率53.5%(224/419)、平均本賞金額1,688万円を上回るため、ニックス判定ができる。Storm Cat・クロフネで先行し、Burghclere4×3のスタミナで粘りこむ。母高齢で兄姉の成績推移からも、活力にはやや疑問。芝ダート兼用中距離馬。

フジインザスカイの21(牡)

父:ヘニーヒューズ 母父:ディープスカイ 生産:高昭牧場

 セレクトセール当歳にて1,800万円で落札。母10歳時の3番仔。二代母ホーマンキュートはJpn3-名古屋優駿(D1900m)制覇。母フジインザスカイは中央3勝のダート中距離馬。ヘニーヒューズ×アグネスタキオンはワイドファラオ(Jpn1-かしわ記念)と共通し、勝馬率68.2%(15/22)、平均本賞金額2,075万円。ヘニーヒューズ産駒全体の勝馬率57.6%(281/488)、平均本賞金額1,504万円を上回るため、ニックス判定ができる。3/4同血の半兄ワンダーブレット(父アジアエクスプレス)は未勝利→1勝クラスを連勝中。種牡馬実績を考えれば、当然兄以上の活躍も充分見込める。ダート中距離馬。

ブレイズガールの21(牡)

父:キズナ 母父:ローレルゲレイロ 生産:岡田スタッド

 母8歳時の2番仔。母ブレイズガールは中央2勝の芝スプリンター。母父ローレルゲレイロはキングヘイロー×テンビー×モガミヒメなので、ディープボンドの母ゼフィランサス(キングヘイロー×モガミヒメ)と3/4同血。キズナ×Caerleonはマルターズディオサ(G2-チューリップ賞)、アブレイズ(G3-フラワーC)、クリスタルブラック(G3-京成杯)と共通。残る1/4の二代母アペイロンの貧弱さは否めないが、配合のポイントは押さえており中々面白い。芝中長距離馬。

ボナマティーナの21(牝)

父:キズナ 母父:キングズベスト 生産:松浦牧場

 セレクションセールにて1,350万円で落札。母6歳時の2番仔。牝祖QuillはエイコーンSなど格付以前の北米大レースを勝ちまくった名牝で、マルゼンスキーの二代母。つまり、四代母Euryantheはマルゼンスキーと3/4同血、二代母父Seeking the GoldでBuckpasserも補っている。キズナ×マルゼンスキーはディープボンド(G2-阪神大賞典)と共通し、勝馬率68.4%(13/19)、平均本賞金額3,936万円。キズナ産駒全体の勝馬率53.5%(224/419)、平均本賞金額1,688万円を上回るため、ニックス判定ができる。セリ場では、やや薄手ながら素軽い身のこなしで好印象を受けた。近い代での活力不足に不安が残るも、大駆けがあって不思議ない。芝マイラー。

 キズナ産駒は大当たり世代だけあって、どれも見所あり。

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