※各種データは2023.12.31現在に更新。
※特に断りのない限り、データ・画像はTARGET frontier JV・JBIS Searchより引用。
基本情報
繫養:社台スタリオンステーション(2018-)
生年:2013年 生産:Frederick M. Allor, Michael T. Barnett, Anthony M. Warrender(USA)
競走成績
USA:9戦6勝
2016年度 エクリプス賞最優秀短距離牡馬
2016 G1-キングスビショップS(USA/サラトガD7F)1着
2016 G1-BCスプリント(USA/サンタアニタD6F)1着
2017 G1-フォアゴーS(USA/サラトガD7F)1着
種付状況
JRA産駒成績
2021年度 JRAファーストシーズンリーディングサイアー
所感
母Eltimaasは未出走だが、G1-BCジュヴェナイルを制したエクリプス賞最優秀2歳牡馬Action This Dayの半妹。本馬は父の初年度産駒、母6歳時の2番仔にあたる。「Storm Cat×Deputy Minister×In Reality」はJustifyやミスターメロディなどと共通し、『Eight Thirty≒Good Example≒War Relic血脈』を累進。本馬はSaline≒Relaunch5×4を軸として主にMan o’War血脈を強化しており、分かりやすく北米的パワースピードを重ねてきた配合。筋肉量は豊富だが、ゆとりある胴や脚元・肩などの造りからは、典型的な北米チャンピオンスプリンターのイメージと異なる印象を受ける。父Gio Pontiはエクリプス賞最優秀芝牡馬を受賞した中距離馬で、二代母父TrempolinoはG1-凱旋門賞など重賞2勝、牝祖Bitty GirlはG2-クイーンメアリーSなど重賞3勝。血統表の随所に欧州芝や中長距離のエッセンスを含んでおり、実馬にもそれらが少なからず発現しているように感じる。
Friar RockとMan o’WarとQueen Caroline=Black ballなどが共通。
オールラウンドなスピードを遺伝し、配合によって芝・ダート・短距離・中長距離と幅広く打ち分ける万能種牡馬。ロードカナロアと近い感覚で捉えてよいだろう。自身の現役実績からくるイメージ以上に距離をこなす産駒が多く、良績は芝ダート共に1800mに偏る。前進気勢が強く、前目の競馬で結果を残す産駒が多い点は自身とよく似ている。北米血脈らしく、早熟傾向が強く、成長力は控えめ。
ファーストシーズンリーディングサイアー獲得を受け、22年には種付料700万円へと大幅アップ。初年度産駒と比較すると2世代目以降は伸び悩んでいる印象が否めず、23,24年と全体的な下げ傾向は見られる。しばらく人気は落ち着きそうだが、23年(5世代目)産駒はNFが相当力を入れた世代となっているため注目必至。
現時点の最高傑作ジオグリフ(G1-皐月賞 他)は母アロマティコ(G1-秋華賞 3着 他)、L-若葉Sを制したデシエルトは母アドマイヤセプター(G2-スワンS 3着 他・ドゥラメンテの全姉)。芝の大物を狙う場合は、シンプルに芝で実績を残したA級繁殖、特にキングカメハメハ肌との配合が良い。上記2頭は共に「キングカメハメハ×サンデーサイレンス×ノーザンテースト×ガーサント」。現代日本的スピードを補強しつつ、スタミナを底で支えるPretty Polly血脈が父母間で脈絡する点が趣深い。
ディープインパクト肌との配合も「ディープインパクト×Storm Cat×In Reality」のニックスが再現され、カワキタレブリー(G1-NHKマイルC 3着 他)など芝ダートを問わずまずまずの成績。ただし、この配合パターンは圧倒的に牡馬優勢である点に注意。
ダート路線を狙う場合は、自身の配合の核である『Eight Thirty≒Good Example≒War Relic血脈』を累進するのが基本。特にフレンチデピュティ・フジキセキ・Unbridledとの組み合わせは鉄板となっている。この配合パターンは前項とは逆に圧倒的に牝馬優勢である点も興味深い。
出世頭コンシリエーレは牡馬なので気にし過ぎる必要はないかも。
現時点では例が少なく活躍馬も出ていないが、Relaunch(=Moon Glitter)を活かす形としてWar Front(母父Rubiano)、Yarn(=Preach)を活かす形としてパイロ肌(父Pulpit)との配合に注目したい。また、これら両方を内包するTapit(父Pulpit・二代母Moon Glitter)との配合は言わずもがな期待大。産駒が肌馬に回る頃には、Pulpitを内包し「ディープインパクト×Storm Cat×In Reality」が成立するアルアイン=シャフリヤールとの配合が猛威を振るうのでは。母馬優先があるクラブでは、繁殖入りを見越して牝馬を積極的に狙ってみるのも面白いかもしれない。
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