※来年のクラシック(皐月賞・東京優駿・菊花賞)を想定した24.12.26現在の番付であり、ホープフルSの予想そのものではありません。悪しからず。
参考記事
番付表
考察
横綱はクロワデュノールとする。以下、勝ち上がり診断(A評価)より引用。
06/09 新馬戦(東京芝1800m/良) 1:46.7
13.1-11.4–12.4–12.5–11.9–11.5–11.3–11.1–11.5
49.4-45.4のスロー。好スタート好ダッシュから控えて外目番手追走。直線入口で完全に後続を突き放し、アルレッキーノ(2着)とのマッチレースに持ち込むと、ラスト1Fで競り落とし更に一伸び。2馬身1/2差で勝利した。走破時計1:46.7は2歳新馬・未勝利芝1800mに於いてジェラルディーナに次ぐ歴代10位の記録。新馬戦に限れば昨年のカンティアーモに次ぐ歴代2位で、6月開催に限れば当然歴代最速となる。走破時計も然ることながら、圧倒的に優秀なのが後半ラップ。レース上がり4F45.4は2歳芝1800mの指標(4F46.0以下)を優にクリア。レース上がり5F57.3は2歳芝1800mに於いて、ジオグリフの新馬戦と並ぶ歴代最速タイの記録となる。「切れ味勝負では分が悪い」という鞍上北村友の早仕掛けに応え、11.5-11.3-11.1-11.5と終い4F全て11秒前半でまとめた持続する末脚は特筆モノ。
母ライジングクロスはG2-パークヒルSなど英5勝、英オークス2着・愛オークス3着などの本格派中長距離馬。本馬はアースライズ(G3-フラワーC 2着 他)の半弟にあたる。ニアリーHalo血脈最先鋒のSir Ivorクロスでスピードを補強した上に、HornbeamやWorden(≒Le Fabuleux)などで重厚さを増幅する形は、イクイノックスと共通するキタサンブラック黄金配合。ただし、母父に北米軽快マイラーのキングヘイローを差し込んだイクイノックスと比べると、母父が欧州パワーマイラーCape Crossの本馬は重厚感が強調されている印象を受ける。Green Desert~Danzig的なトモは発現しているが決して早熟性の強い配合ではなく、まだまだ成長の余地は充分。そんな中、この時期の新馬戦でこれだけのパフォーマンスを出してくるのだから、これはG1馬の器だと言い切りたい。セレクトセールやキャロットに回った兄姉はなんともな成績に終わったが、オーナーズ募集の前述アースライズとサンデーR募集の本馬がキッチリ結果を出してくる辺り、ノーザンファームの目利きには脱帽である。
前走G2-東スポ杯2歳Sでは、スローペースを番手追走。4角で早めに仕掛け、逃げ馬と併せて末脚を伸ばし、3/4馬身差で勝利した。走破時計1:46.8・レース上がり5F58.3・4F45.9はそれぞれ自身の新馬戦を下回り、ハイパフォーマンスだったとは言えない。ただし、成長分を加味しても明らかに太め残りに見えた馬体重+24㎏や、「新馬戦前の状態に戻り切っていない」との陣営のコメントを踏まえると、まずは勝ち切ったことを褒めたい。
本馬のストロングポイントは、レースセンスの高さと『Hyperion最強』を予感させる2歳馬離れした持続力。主戦北村友一もこれをよく理解した騎乗をしており、二戦共に完璧な競馬と思えるほど手が合う印象。次走G1-ホープフルSでも継続騎乗が決定しているが、来年のクラシック、そしてそれ以降もこのコンビで見たい。
↓勝ち上がり時。
↓東スポ杯勝利時。
大関はファンダムとする。新馬戦はまずまずのスタートから、なだめつつ離れた番手外追走。4角で逃げ馬を射程圏に捉え坂下で先頭に立つと、追撃を退け1馬身差で勝利した。走破時計1:32.8は、従来の2歳コースレコードを0.3秒更新。レース上がり5F57.5・4F45.4は、2歳芝1600mの指標(5F58.0以下・4F46.0以下)を軽くクリアしており、レース上がり3F11.6-11.5-10.8の加速ラップも見事。今秋の中山開催はレコード連発の超高速馬場であり、時計を鵜呑みにするのは危険とは思うが、これだけのパフォーマンスをされたら評価しない訳にはいかないだろう。事実、現時点で同組からは4頭が芝で勝ち上がりを決めており、これはエメラヴィ組・モンドデラモーレ組・ジャスパーディビネ組・ディアナザール組と並んで今年最多タイ。特に2着シホリーンはG3-アルテミスSでも僅差4着好走と、レースレベルの高さを示している。
「サートゥルナーリア×ハーツクライ」はコートアリシアンと共通し、父のニックスをなぞる今後注目の配合。「キングカメハメハ系×グレイトフィーヴァー牝系」は、グランデマーレ・トランキリテなど勝馬率83.3%(5/6)のニックス。Hornbeam≒Sunsetを根拠に、Hyperion的持続力に長けた好配合だ。ハイアベレージだが、重賞タイトルには縁が無かった同牝系から、遂に超大物候補が誕生した。次走もマイルのL-ジュニアCを予定しているが、コンフォメーションや配合を考えれば距離延長は全く問題ない。不安要素は体質の弱さと陣営か。
↓勝ち上がり時。
関脇はキングスコールとする。新馬戦は好ダッシュから逃げ馬マークの番手の競馬。向正面から追い上げる後続勢に併せてギアを上げ、直線では寧ろ突き放し3馬身差で勝利した。走破時計1:47.8は、ソダシが札幌2歳Sで計時した2歳コースレコードを0.4秒更新。自身上がり3F34.8は、2歳洋芝1800mでの指標(3F35.0以下)をクリアする優秀な時計で、内容も11.7-11.6-11.5の加速ラップとまだ余力を感じさせる。少頭数ながらメンバーレベルも高く、2,3着馬は次走芝で勝ち上がり。特に2着テリオスララは続くL-萩Sも勝利、G1-阪神JFでも3着と健闘した。
母レインオンザデューンはBellamy Road(G1-ウッドメモリアルS 他)の半妹。「ドゥラメンテ×Frankel」は勝馬率75.0%(3/4)と高打率。父の早逝が無ければ、大流行していたのではないだろうか。Nureyev≒Sadler’s Wells5×4に対して、二代母Hurry Home Hillaryが非ND血脈の『3/4ND・1/4異系』というセオリー通りの配合型で、隙の無い万能型中距離馬。G3-札幌2歳Sをソエで回避、後に剥離骨折が判明と現在長期戦線離脱中だが、「2月の競馬を目指す」というコメントも出ており、復帰は間近。クラシックに間に合えば、非常に面白い存在になるだろう。
↓勝ち上がり時。
小結はピコチャンブラックとする。新馬戦は押し出される形でハナに立ち、ほぼ回ってきただけの競馬。逃げて上がり最速、7馬身差で勝利した。ゲートで大きく後手を踏み、大捲りで直線失速という2着ヴィジョンメーカーはともかく、追走で一杯一杯の超低レベルなメンバー相手であり、着差は鵜呑みにできない。時計も抜群とは言わないが福島新馬としてはまずまずで、上がり3F11.9-11.8-11.3の加速ラップと見所あり。最終的には配合で下駄を履かせて、勝ち上がり評価Cとした。次走L-アイビーSは二の脚でハナに立つも、主張する逃げ馬に譲って大きく離れた番手追走。4角前から捕まえに動くと、ジリジリ差を詰め直線半ばで前を捉えたが、内から伸びる勝ち馬の末脚に屈し、1馬身半差の2着となった。字面上は優等生な競馬だが、その実スタート直後や直線で怪しい挙動も見せており、多頭数での競馬に不安が増したのは事実としてある。
バレークイーン牝系で、母トランプクイーンはアンライバルドの全妹、フサイチコンコルド・ボーンキング・グレースアドマイヤの半妹。「キタサンブラック×ネオユニヴァース」は勝馬率100.0%(4/4)の次世代ニックス候補で、「キタサンブラック×バレークイーン牝系」も本馬の他にコナブラック=コナコースト兄妹が活躍する勝馬率100.0%(3/3)の好配合。Sadler’s WellsやSharpen Upを組み合わせる配合はソールオリエンスなどと共通し、重厚感と機動力に溢れる中長距離馬に仕上がっている。いかにも中山小回りが合いそうで、ホープフルS・皐月賞で一泡吹かせる可能性も。
↓勝ち上がり時。
前頭は重賞を使った組からそれぞれ2頭。京都2歳S組からはエリキングとサラコスティ。前者はいかにも「≒Haloの無いキズナ×Sadler’s Wells牡馬」という競馬で三連勝。春クラシックを勝ち切るような鮮やかさは無いが、まだ底は見せていない。骨折が判明し、皐月賞は絶望的・東京優駿はギリギリ間に合うかという状況だが、元より菊花賞向きの印象。無理せず休養し、来秋に向けてじっくり仕上げてもらいたいところ。後者は逃げて9馬身差圧勝の未勝利戦が超抜。特にレース上がり5F57.7は、同条件でディープインパクト・ヴィクトワールピサを抑え、ワグネリアンと並ぶ歴代最速タイ記録。勝ち上がり評価Aを与え、京都2歳Sでも本命を打ったのだが、1角で囲まれたところから挙動が怪しく、結果惨敗。父産駒の嫌なところが強く遺伝されてしまっている印象を受ける。今後も展開に注文がつくが最大打点は世代屈指で、どこかで一発に期待したい。
↓勝ち上がり時。
朝日杯FS組からはアルレッキーノとミュージアムマイル。前者は未勝利戦が強烈で勝ち上がり評価Aを与えたものの、その後はなんとも不甲斐ないレースが続く。前述のサラコスティと同じく気性が能力を妨げているパターンで、それぞれの父の難しさを感じる。朝日杯の負け方を見る限り根は深そうだが、募集時から高評価を与え続けてきた素質馬なだけに、なんとか復活してほしい。後者は未勝利→黄菊賞の二連勝が好内容。今年の朝日杯は低レベルで、出遅れを加味した上でも2着で満足とは言わないが、距離を伸ばしてもう一つ上がある印象。
↓朝日杯FS予想。