2023ノルマンディーOC1次募集馬血統雑感

 2023年09月29日、ノルマンディーOC2022年産1次募集馬リストが公開された。現在判明している情報から気になる馬についてサラっと触れておく。参考程度に。

【23.10.08】所属厩舎を更新。シークエルの22追記。

03.クイーンズトゥルーの22

父:ウインブライト 母父:キングカメハメハ

生年月日:2022年05月28日 生産:岡田スタッド

所属厩舎:大竹正博(美浦) 募集総額:1,680万円(一口42,000円)

雑感:母クイーンズトゥルーはサウンドトゥルー(G1-チャンピオンズC 他)・ルールソヴァール(Jpn3-佐賀記念)・アナザートゥルース(Jpn2-ダイオライト記念 他)の半妹。本馬は父の初年度産駒、母7歳時の初仔にあたる。新種牡馬ウインブライトはジェイドロバリー(≒Kingmambo)の血を引くため、キングカメハメハとの配合に期待できる。また、「父ステイゴールド系×母父キングカメハメハ×二代母父フジキセキ」はライラック≒ブラックホールなど勝馬率80.0%(4/5)。懸念として、二代母にあたる名繁殖キョウエイトルースはフレンチデピュティなどの北米血脈を取り込むことで活躍馬を輩出したが、本馬に関しては二代続けてそこを弄っていない。母が競走馬として大成しなかった理由もそこに求められるので、本馬に関しても手放しでは褒め辛いところ。

04.サウンタの22

父:ドゥラメンテ 母父:Invincible Spirit

生年月日:2022年04月14日 生産:坂本智広

所属厩舎:福永祐一(栗東) 募集総額:3,280万円(一口82,000円)

雑感:22年セレクトセール当歳セッションにて2,300万円(税抜)で落札。母サウンタはシンハリーズ(G1-デルマーオークス 他)の半妹。兄の出走勝馬率は66.6%(2/3)。本馬は父の5世代目産駒、母13歳時の5番仔にあたる。シンハリーズが名繁殖たる理由の一つとして、その母BaizeがNorthern Dancerを引かない異系の名血であることが挙げられる。そのBaizeに名血名種牡馬であるInvincible Spiritを配した母サウンタに関しても、大物を出せるポテンシャルは秘めているはず。「ドゥラメンテ×Mixed Marriage」はリバティアイランド・タイトルホルダー・スターズオンアースと共通。「父中距離×母父短距離」「3/4ND・1/4異系」の好バランス。落札当時の立ち写真でかなり膝が被っていた点は気になる。

18.アイアムキャツアイの22

父:モズアスコット 母父:アイルハヴアナザー

生年月日:2022年04月28日 生産:岡田スタッド

所属厩舎:緒方努(栗東) 募集総額:880万円(一口22,000円)

雑感:二代母アイアムアクトレスはアイアムカミノマゴ(G2-阪神牝馬S)の全姉で、自身はG3-ユニコーンS制覇。母アイアムキャツアイはJRA2勝。本馬は父の初年度産駒、母8歳時の2番仔にあたる。Hennessy系種牡馬はアグネスタキオンと相性が良く、「ヘニーヒューズ×アグネスタキオン」は勝馬率72.0%(18/25)でワイドファラオなど、「ヨハネスブルグ×アグネスタキオン」は勝馬率71.4%(15/21)でエイティーンガールなどを輩出。Hennessyを内包するモズアスコットに関しても同様の理屈で好相性に期待できる。Danzigを中心にクロスがうるさく、分かりやすくダート短距離に振っている点は潔い。懸念として、そもそも父の種牡馬ポテンシャルが如何程か。やたらと安い募集価格も気になる。ツアー後評価やや下げ。

20.シークエルの22

父:ダノンバラード 母父:クロフネ

生年月日:2022年01月27日 生産:岡田スタッド

所属厩舎:菊沢隆徳(美浦) 募集総額:1,240万円(一口31,000円)

雑感:母シークエルはJRA1勝。本馬は父の6世代目産駒、母7歳時の初仔にあたる。「ダノンバラード×フジキセキ」はロードブレスなど勝馬率50.0%(2/4)。母がクロフネ×フジキセキのニックスで増幅したEight Thirty≒War Relic血脈を、Unbridledを用いて継続。French Deputy巧者の岡田スタッド産らしく、かなり良い出来に見えた。初仔の牝馬で小さく出てしまった点は残念だが、ダノンバラード牝馬はキタウイング(新馬戦時432㎏)・ミシシッピテソーロ(新馬戦時426㎏)など、小さくても結構走る。

21.シュエットヌーベルの22

父:ゴールドシップ 母父:スマートファルコン

生年月日:2022年05月12日 生産:岡田スタッド

所属厩舎:西田雄一郎(美浦) 募集総額:1,400万円(一口35,000円)

雑感:二代母クイックメールはタニノマティーニ(G3-キーンランドC)の半妹。母シュエットヌーベルはJRA4勝。本馬は父の6世代目産駒、母8歳時の初仔にあたる。Devil’s Bag×「Nasrullah×Princequillo血脈」であるタイキシャトルを用いて、疑似的に「ゴールドシップ×ロージズインメイ」を再現。母はニキーヤ≒Welsh Muffin3×3など濃いインブリードを持つ主張の強いスプリンターなので、緩慢さが目立つ中長距離馬の父との配合はバランスが良い。父はド級のフィリーサイアーなので牝馬に出た点は良いのだが、初仔かつ遅生まれなのでサイズ感には要注意。ツアー後評価やや下げ。

24.デアリングバードの22

父:エピファネイア 母父:キングカメハメハ

生年月日:2022年03月09日 生産:長谷川牧場

所属厩舎:杉山晴紀(栗東) 募集総額:5,600万円(一口140,000円)

雑感:二代母デアリングハートはG3-府中牝馬Sなど重賞3勝、G1-桜花賞 3着。全姉デアリングタクトは牝馬3冠。本馬は父の6世代目産駒、母11歳時の6番仔にあたる。「エピファネイア×キングカメハメハ」は全姉の他イズジョーノキセキなどと共通。完成された配合であることは間違いないのだが、デアリングタクトを除く全姉2頭は共に不発。本馬はどちらのパターンか、相馬眼が試される。ツアー後評価やや下げ。

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