募集馬情報
父:キズナ 母父:Medaglia d’Oro
生年月日:2023年04月28日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:木村哲也(美浦) 募集総額:8,000万円(一口160,000円)
測尺:体高153.5㎝/胸囲165.5㎝/管囲20.8㎝/馬体重420㎏
父キズナについて
世代評価
23年産駒は7世代目にあたる。前年に続く種付料の上昇により、ディープインパクト後継種牡馬筆頭としての地位を確たるものとした。キタサンブラック・ドレフォンら5世代目組の台頭や同郷同父コントレイルのスタッドインにより分散傾向は見られるものの、繁殖質自体は高値安定。当たり年とは言わないまでも、極端な成績の落ち込みは見られないだろう。
母ミスベジルについて
競走実績
通算成績12戦2勝。2歳10月のMaiden(未勝利戦)でデビューし、12月の2戦目で勝ち上がり。翌3歳2月にAllowance Optional Claiming(一般競走)で2勝目を挙げたが、春の重賞戦線では凡走が続き、目立つ存在ではなかった。名を揚げたのは夏のNY牝馬三冠競走。最低人気で出走したG1-CCAオークスでは、果敢にハナを主張すると、1・2着馬からは大きく離されながらも3着を確保。あくまでフロック視され、またも最低人気で臨んだG1-アラバマSでは、番手から運んで直線抜け出すと、見せ場充分の少差3着に粘りこんだ。これらを制した二冠牝馬Stopchargingmariaは翌年のG1-BCディスタフも優勝しており、決して相手関係に恵まれた好走ではない。以降3戦するも良績を挙げることなく、翌4歳春に引退・繁殖入りとなったが、高いポテンシャルの一端を垣間見せていた。
血統・配合
母Quiet Danceは北米6勝、G2-デムワゼルS 2着など。繁殖として優秀で、本馬の他にSaint Liam(エクリプス賞年度代表馬/G1-BCクラシックなどG1競走4勝)・Funtastic(G1-ユナイテッドネイションズS)・Quiet Giant(G2-モリーピッチャーS/エクリプス賞年度代表馬Gun Runnerの母)・Congressionalhonor(G3-ベイメドウズダービー)と4頭の重賞馬を輩出した。
父Medaglia d’OroはSadler’s Wells系ながら北米で繁栄したEl Pradoの直仔。G1-トラヴァーズSなどG1競走3勝・G1-BCクラシック2年連続2着など、ダート中距離路線で息の長い活躍を見せた。種牡馬としては5代アウトブリードで主張が薄く、Rachel Alexandra・Songbird・Golden Sixty・タリスマニックと、芝・ダート・距離の長短を問わず幅広いジャンルで数多くのG1馬を輩出。父母相似配合で主張の強い母Quiet Danceとの配合はバランスが取れている。特筆するような仕掛けはないものの、良質なNasrullah×Princequillo血脈を累進していることから、サンデーサイレンス系種牡馬との組み合わせによる高い日本芝適性に期待できる。
繁殖実績
生年 | 馬名 | 性別 | 種牡馬 | 成績 |
2016 | Gun It | 騙 | Tapit | 北米4勝 G3-マインシャフトS 2着 他 |
2017 | Portinari | 騙 | Candy Ride | 不出走 |
2018 | Minha Paixao | 牝 | Curlin | 不出走 |
2019 | (不受胎) | Into Mischief | ||
2020 | Lark’s Mischief | 牡 | Into Mischief | 北米未勝利 |
2021 | ルディック | 牡 | Into Mischief | JRA1勝 |
2022 | タイセイドラード | 牡 | American Pharoah | 未出走 |
出走産駒勝馬率66.7%(2/3)。23年産駒は母13歳時の7番仔にあたる。
本馬ミスベジルの23について
「キズナ×El Prado」は父の配合の核であるNasrullah×Princequillo×Tom Fool血脈を継続。シャムロックヒルなどと共通し、非常に高い打率を誇る。また、「キズナ×Quiet American」はSir Ivor≒Cequillo(Princequillo・Mahmoud・Man o’War・Marguerite de Valois=Sir Gallahadなどが共通)によってディープインパクトのしなやかさをコントレイル的に弄った配合で、少ない頭数からグランベルナデットを輩出。これら2つのニックスにより、軽快なスピード要素を強力に増幅した。
その一方で、本馬はDamascus4×5・Lyphard5×4など父のパワー・スタミナ要素にも触れている。父産駒の牡馬はこれらの要素が強く出ることで、ダート方面に振れることも多く、本馬もそうなる可能性は否定できない。ただし、エクリプス賞受賞馬続出の牝系を考慮すればこれを悲観的に捉える必要はなく、寧ろ「どちらに振れても楽しみが大きい」と表現したい。
崩れのない好馬体で、4月末の遅生まれとしては充分なサイズ感。薄手の造りは二代父ディープインパクトを想起させ、現状は芝向きと判断する。回転の速いフットワークは機動力の高さを感じさせるもので、配合の美点が実馬によく表れている。
預託予定の木村師は美浦のNF系クラブエース格。特にシルクHCとは抜群の好相性で、出走勝馬率は68%、年度代表馬イクイノックスをはじめ6頭の重賞馬を輩出している。盤石の布陣で大舞台を狙える好素材として、本馬を今年の推奨一番手とする。
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