2023年06月30日、シルクHC2023年度募集馬リスト(確定版)が公開された。カタログは07月18日公開予定だが、現在判明している情報から気になる馬についてサラっと触れておく。参考程度に。
01.アーモンドアイの22
父:エピファネイア 母父:ロードカナロア
生年月日:2022年01月13日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:国枝栄(美浦) 募集総額:2億4,000万円(一口480,000円)
雑感:Best in Show牝系。二代母フサイチパンドラはJpn1-エリザベス女王杯など重賞2勝。母アーモンドアイはG1-ジャパンCなどG1・9勝のJRA年度代表馬。「エピファネイア×キングカメハメハ」はデアリングタクト・イズジョーノキセキと共通。シンボリクリスエスとStorm Catの相性の良さを考えるに、「エピファネイア×ロードカナロア」は今後要注目。Sadler’s Wells≒Nureyev4×(6×4)の累進。「3/4ND・1/4異系」。現実的に考えれば回収不可能な募集総額だが、それでも一発の魅力は秘めた好配合。取り上げない訳にはいかない。
02.プリモシーンの22
父:エピファネイア 母父:ディープインパクト
生年月日:2022年03月12日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:木村哲也(美浦) 募集総額:1億2,000万円(一口240,000円)
雑感:二代母モシーンはG1-VRCオーストラリアンギニーなどG1・4勝。母プリモシーンはG3-東京新聞杯など重賞3勝。サンデーサイレンス4×3・Sadler’s Wells≒Nureyev4×5・Nijinsky6×6などの父母相似配合。「3/4ND・1/4異系」・「父中距離×母マイラー」。シンプルかつ要点を的確に押さえた好配合で、既に種馬としてのポテンシャルを感じる。カナロア肌に付けたい。
03.ツルマルワンピースの22
父:エピファネイア 母父:キングカメハメハ
生年月日:2022年03月21日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:大竹正博(美浦) 募集総額:5,000万円(一口100,000円)
雑感:母ツルマルワンピースはJRA3勝。本馬はブラストワンピース(G1-有馬記念 他)の半妹にあたる。「エピファネイア×キングカメハメハ」はデアリングタクト・イズジョーノキセキと共通。「3/4ND・1/4異系」・「父中距離×母マイラー」。母はTry My Best=El Gran Senor4×3の好配合名繁殖。昨年の半兄(オールライズ)に続いて注目。願わくば程々のサイズに落ち着いてほしい。
半兄推奨記事 → https://www.saltedrice90.online/silk-2022-chorno01/
21.クインアマランサスの22
父:ナダル 母父:キングカメハメハ
生年月日:2022年01月20日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:中舘英二(美浦) 募集総額:3,500万円(一口70,000円)
雑感:二代母ヒカルアマランサスはG3-京都牝馬S制覇、G1-ヴィクトリアマイル2着。母クインアマランサスはJRA3勝で、ホウオウアマゾン(G3-アーリントンC)の全姉。新種牡馬ナダルはRoberto父系且つSpecial牝系出身のBlameを父に持ち、His Majestyを内包。キングカメハメハ肌との配合では、キングカメハメハ×Robertoの「砂の中距離黄金三角形」と共に、Bound≒NureyevやHis Majesty=Graustarkといった妙味ある相似配合が成立する。全体にNasrullah×Princequillo血脈が強く、大箱≒大井適性が高いのも時代に即した形か。
23.ヴィクトリアピースの22
父:バゴ 母父:ヴィクトワールピサ
生年月日:2022年01月27日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:稲垣幸雄(美浦) 募集総額:2,500万円(一口50,000円)
雑感:母ヴィクトリアピースはJRA1勝、ブラストワンピース(G1-有馬記念 他)の半妹。Coup de Genie=Machiavellian3×4・Nureyev3×6・Bustino4×5など強烈な父母相似配合。「3/4ND・1/4異系」。「NF生産×バゴ産駒」はクロノジェネシス・ステラヴェローチェと共通し、勝馬率83.3%(5/6)。この世代の種付時期はクロノジェネシスがグランプリ2連勝を決めた直後であり、NFサイドも完全に味を占めている。好配合名繁殖のツルマルワンピースにBMSとして優秀なヴィクトワールピサを配したヴィクトリアピースは、繁殖として成功する可能性が非常に高い。
24.ウィクトーリアの22
父:リアルスティール 母父:ヴィクトワールピサ
生年月日:2022年03月08日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:宮田敬介(美浦) 募集総額:5,000万円(一口100,000円)
雑感:二代母ブラックエンブレムはJpn1-秋華賞など重賞2勝。母ウィクトーリアはG2-フローラSなどJRA3勝、ブライトエンブレム(G3-札幌2歳S)・アストラエンブレム(L-ラピスラズリS 他)の半妹。「3/4ND・1/4異系」・「父マイラー×母中距離」。好配合名繁殖のブラックエンブレムにBMSとして優秀なヴィクトワールピサを配したウィクトーリアは、繁殖としても当然成功するだろう。Halo≒Sir Ivor増幅を基調とした配合なので、リアルスティール産駒にしては固さのないタイプに仕上がりそう。
43.インヘリットデールの22
父:エピファネイア 母父:ルーラーシップ
生年月日:2022年04月22日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:高野友和(栗東) 募集総額:6,000万円(一口120,000円)
雑感:ラスティックベル牝系。二代母フサイチエアデールはJpn2-4歳牝馬特別など重賞4勝。母インヘリットデールはJRA3勝で、フサイチリシャール(Jpn1-朝日杯FS 他)・ライラプス(Jpn3-クイーンC)の半妹。「エピファネイア×キングカメハメハ」はデアリングタクト・イズジョーノキセキと共通。「父中距離×母父中距離」だが残る1/4(二代母)が良血のA級マイラーという型は、父産駒の教科書的配合。全兄はPOG指名推奨。
77.パリスビキニの22
父:American Pharoah 母父:Bernardini
生年月日:2022年03月18日 生産:ノーザンファーム
所属厩舎:斉藤崇史(栗東) 募集総額:5,000万円(一口100,000円)
雑感:Best in Show牝系。母パリスビキニはUSA1勝、America(G3-ターンバックジアラームH)の半妹。本馬はParis Lights(G1-CCAオークス 他)の半妹にあたる。Fapiano5×5・Secretariat6×5・Best in Show7×5など薄い父母相似配合。American Pharoahは自身のクロスが薄いので、産駒の代ではクロスがうるさいくらいで丁度よい。ダート牝馬と言う点は引っ掛かるが、仕掛け自体は中々面白い。