※来年のクラシック(桜花賞・優駿牝馬)を想定した24.12.01現在の番付であり、阪神JFの予想そのものではありません。悪しからず。
参考記事
番付表
考察
横綱は今週の新馬戦を勝利したばかりのマディソンガールとする。50.8-45.6の超スロー。ゲートはまずまずも、二の脚で前に取付き3番手外目追走。4角早めにスパートを掛けたショウヘイ(2着)に一度は離されたものの、直線半ばから鋭い末脚で差し切り、1馬身差で勝利した。レース上がり4F45.6は、2歳芝1800mの指標(4F46.0以下)を優にクリア。レース上がり3F11.1-11.1-10.9は、程度こそ違えど半姉の新馬戦を彷彿とさせる猛ラップ。初秋デビュー予定を「万全の態勢でデビューさせるため」に延期してのハイパフォーマンスで、陣営の判断も奏功したか。
母ヤンキーローズはG1-ATCサイアーズプロデュースS(1400m/AUS)などG1競走2勝の豪最優秀2歳牝馬・3歳牝馬で、Miravalle(G3-ITCケンブリッジクラシック)の半姉。本馬はリバティアイランド(JRA賞最優秀2歳牝馬・3歳牝馬)の半妹にあたる。二代母CondesaarのBest in Show3×4が繁殖能力の源泉。「キズナ×Gone West」はマルターズディオサ・ステラリアと共通。 【自称血統評論家のPOG指名推奨リスト2024-2025】
直線ギアが入るまでの走行フォームはまだまだ改善の余地があり、加速ラップで上がってきたことからも伸びしろ充分。同時期の姉と比較すると線の細さを感じるものの、桜の季節には中内田仕上げの豪血尻が完成するだろう。例年と比較して低レベルな今年の牝馬路線では、間違いなく一番の器と評価したい。常々指摘されている気性難がレースに出なければ、来春の主役は本馬になるはず。
大関はダノンフェアレディとする。以下、勝ち上がり診断(A評価)より引用。
06/01 新馬戦(京都芝1600m/良) 1:33.8
12.2–11.5–12.0–12.3–12.0–11.3–11.2–11.3
48.0-45.8のスロー。最内枠から好発を決め、早々に先頭へ。4角で番手ショウナンザナドゥ(2着)と共にペースを上げると、直線早めに抜け出しリードを保ったまま1/2馬身差で勝利した。走破時計1:33.8は2歳6月芝1600mに於いてグランアレグリアに次ぐ歴代2位の記録。同条件新馬戦では秋開催を含めても歴代1位となる。Cコース替わり初週ということもあり、同日同距離3歳未勝利で1:32.6が出る高速馬場ではあったが、それを考慮しても相当な時計であることには違いない。レース上がり4F45.8は2歳芝1600mの指標(4F46.0以下)をクリア。60.0-33.8という2歳新馬離れしたラップタイムの出方にも好感が持てる。鞍上川田で新馬戦から逃げる形になるのは珍しいパターンだが、今回に関しては追走力の違いと枠順によるものが大きい。とはいえ、外から圧を掛けられたときに敏感に反応する様子が見られるなど、気性面は少し気になるところ。今後も継続騎乗が望ましい。
二代母Aqui LuluはGran Estreno(G1-亜ジョッキークラブ大賞典 他)の全妹。母メチャコルタはG1-亜1000ギニー大賞典(1600m)など亜4勝。本馬はダイヤモンドハンズ(G3-札幌2歳S 3着)の半妹にあたる。「キズナ×Gone West」はマルターズディオサ・ステラリアなどと共通。南米牝系で早期デビューのダノン冠牝馬といえばダノンファンタジーを思い出すが、本馬も似たような印象。奥がある訳ではなさそうだが、完成度の高さを武器に2歳暮れから春クラシックにかけてタイトルを狙える1頭だろう。438㎏とやや小柄なので、しっかりと馬体を増やして秋の重賞戦線に臨みたい。
秋はサフラン賞から始動予定も、脚部不安により直前で回避。長らく続報が無かったが、エルフィンSで復帰予定とのこと。なんとかクラシックに間に合ってほしい。
↓勝ち上がり時。
関脇はブラウンラチェットとする。新馬戦は好位からレース上がり3F11.8-11.6-11.2の加速ラップを抜け出し、1馬身半差の勝利。C評価を与えた。次走アルテミスSでは内枠から好発を決め、1000m通過60.2のスローをイン番手追走。直線やや狭いところもあったが、逃げ脚を伸ばすミストレスに連れて馬群を抜け出すと、混戦の2着争いを後目に1馬身1/4差で勝利した。走破時計1:33.8は同レース歴代3位タイ。レース上がり3F11.5-11.1-11.0と、ここも加速ラップでの勝利。まだまだ余力を感じられる。
母フォエヴァーダーリングはHeavenly Love(G1-アルシバイアディーズS)の半妹で、自身はG2-サンタイネスSなど北米2勝。本馬はフォーエバーヤングの半妹にあたる。牝祖Roamin Rachel(ローミンレイチェル)はゼンノロブロイを輩出するなど、日本競馬と親和性の高い軽薄高速北米血脈。Storm Catとの相性が良く、名繁殖ストレイキャットや今年のBCクラシックを制したSierra Leoneもこのパターンになる。勿論、本馬と半兄フォーエバーヤングもこの例に漏れない。「Nasrullah×Princequillo×Tom Fool」を合わせるキズナの定番配合で、抜群にキレる末脚はないが機動力のある高速短め中距離馬。トモ高の明らかに未完成な体型から、成長力にもある程度期待できるだろう。既に収得賞金に余裕があるため、状況に応じて柔軟にローテーションを組める点も大きい。上記2頭が間に合わなければ本馬の天下か。
小結はショウナンザナドゥとする。新馬戦は前述の通り2着。続く未勝利戦は横綱相撲で5馬身差の勝利。一度使ったので当然と言えば当然だが、新馬戦から0.3秒詰めた走破時計1:33.5を認め、B評価を与えた。アルテミスSでは中団外目追走から直線差を詰めるも、粘るミストレスを捉え切れず3着。圧倒的前有利の展開を考えれば、情状酌量の余地ある負け方だろう。
二代母Madcup EscapadeはG1-アシュランドSなど北米重賞5勝。母ミスエーニョはG1-デルマーデビュータントSなど北米重賞2勝。本馬はミスエルテ・ミアネーロの半妹にあたる。「キズナ×Hennessy」はショウナンラプンタなどと共通し、アベレージの高い配合。スタミナ面を強く刺激しているが、この牝系の牝馬らしく軽さも表現されており、距離適性は幅広い。桜花賞でも優駿牝馬でも崩れず好走するタイプでは。
↓勝ち上がり評価Aにするか迷ったとき。
前頭は5頭。アルテミスS組からは2着ミストレス・5着マイエレメント・6着カムニャック。ミストレスは楽逃げで展開に恵まれての2着と見るが、中1週の臨戦過程を考えればまだ上積がある。配合的魅力充分で、成長力次第では上位進出も。マイエレメントはどスローを最後方追走から届かずと、一番強い競馬をしていた。奥の無い牝系がネックも、距離延長で面白い。カムニャックは断然人気での敗戦と心象は悪いが、戦前から陣営も触れていたように明らかにマイラーではない。新馬戦のパフォーマンスは並みではなく、優駿牝馬で一発勝負の夢を見たい好素材。
↓勝ち上がり時。
↓勝ち上がり時。
別路線組からはコートアリシアン・テリオスララの2頭。コートアリシアンは新潟2歳Sでも本命を打ったが、新馬戦の内容が秀逸。サートゥルナーリア産駒らしく気性に課題を抱えるが、ポテンシャルだけで言えば一番かも。テリオスララは新馬戦2着も相手が悪く、その後2連勝は共にハイパフォーマンス。捉えどころのない血統構成で適舞台を図りかねるが、シスキン信者としては推さざるをえない。いずれも良牝系の出で、大化けがあっても驚けない。
↓勝ち上がり時。
↓勝ち上がり時。
↓萩S優勝時。