天皇賞(秋)回顧2022

予想は以下記事参照。

私が競馬を始めたのは2015年マイルCS、古馬王道路線絶対王者不在の暗黒期に始まった競馬人生でしたが、その翌年から武豊を背に競馬界の顔に成り上がっていったのがキタサンブラックでした

当時急速に競馬にのめり込んでいった私が彼にイレ込むのも自然の摂理で、特に17年の春秋古馬三冠は全て本命、学生の身で出せる限りの大金叩いて苦楽を共にしたのも大切な思い出

その雄大なフレーム、黒光りする好馬体の面影を今日のパドックで見た瞬間に、Hyperion最強を確信しました

レースはパンサラッサが自己ベスト級の抜群のスタートを決め、ノースブリッジ岩田を意に介さず、我が道を行くハイペース逃げを慣行

1000m通過は57.4、2番手を確保したバビット横山典はそのペースに付き合う義理も無く10馬身程離れて追走、その2,3馬身後方にノースブリッジ岩田とジャックドール藤岡佑、つまりこの辺りは60.0程度で1000mを通過したことになります

ジャックドールは59秒台前半で入って58秒台で上がることのできるワンペースの中距離馬で、今日の馬場を考慮してもどう考えても悠長に構え過ぎ

寄らば斬るぞと言わんばかりの狂気のセーフティリードはパンサラッサと吉田豊だからこそ、ドバイを制したコンビだからこそ日本の大舞台でも自信を持って出していけた訳ですが、藤岡佑介だってこの馬と長くコンビを組んでいるのだからストロングポイントは理解しているはずで、それでも人気を背負った大舞台で理想の競馬が出来ないのは、半ば理解はしていましたが残念としか言いようがないですね

閑話休題、イクイノックスルメールはダービーの反省を活かしスタートから出していき、2角でポジションを下げる形にはなったものの想定通りジオグリフの直後をキープ、勝利騎手インタビューでは『直線を向いてパンサラッサを見たときには(届くかどうか)心配した(笑)』と半笑いでしたが、3,4角時点で促し始めているのは流石の一言で、まさにこの馬の持てるポテンシャルを全て活かした競馬だったと思います

直線の前から吹かし始め、直線半ばでエンジン全開、上がり最速32.7で突き抜ける末脚はまさにトニービン、まさにナスペリオン

今年はあと1走、ジャパンCか有馬記念のどちらかとのことですが、現状東京の方が差しやすいことは間違いないでしょう

これでキタサンブラック産駒はG1初制覇、土曜アルテミスSではラヴェルが同産駒牝馬として重賞初制覇を飾りキタサン祭りとなりましたが、この2頭は『母父マイラー』『キタサンブラック×ダンシングブレーヴ(Sir Ivor)』で共通

馬の形としても、どちらも父のような正攻法前受け型ではなく末脚型で、ウインドインハーヘア的スタミナを伝え続けるブラックタイドのラインとしては異質と言えます

やはりキタサンブラック産駒の黄金配合は、マイラー血脈の注入とディープインパクトへの回帰、Halo≒Sir Ivorこそが第一手であり最善手なのだという意を強くした週末でした

実はそんなことを3月末時点で既に言及していたんですよ…と宣伝まで

ダノンベルーガは東京優駿の再現かのような追込届かず3着

皐月賞でも東京優駿でもイクイノックスに次ぐ対抗印、この面子に入っても評価は変わらず、予想にも『器の大きさはイクイノックスに次ぐNo.2』と書きましたが、少なくとも現時点で感じるこのタルさはやっぱり2000の馬には思えないし、完成度もまだまだ劣る

その分これからの成長には期待できるし、完成した2頭が鎬を削る来年の秋競馬が今から楽しみです

菊花賞が不完全燃焼に終わっただけに、クラシック路線で語ってきたことが間違いでないことを証明できてよかった、素晴らしい天皇賞でした

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