自称血統研究家が2023京王杯2歳Sを考える

出走馬勝ち上がり時評価

【評価基準】

 A:重賞級 B:OP級 C:高確率で期間内+1勝が狙える

 D:期間内+1勝が狙える E:期間内+1勝は厳しい

馬名該当レース評価
アスクワンタイム07/05 未勝利 (中京芝1200m)C
ジャスパーノワール10/15 未勝利 (新潟芝1200m)C
アンバーニードル08/26 未勝利 (札幌芝1200m)D
アグラード10/07 未勝利 (東京芝1400m)D
ミルテンベルク06/11 新馬戦 (阪神芝1200m)E
タヤスロンドン06/24 新馬戦 (函館芝1200m)E
コラソンビート06/25 未勝利 (東京芝1600m)E
オーキッドロマンス07/16 未勝利 (福島芝1200m)E
タイガードラゴン09/23 新馬戦 (中山芝1600m)E
バンドシェル10/09 新馬戦 (京都芝1400m)E
ロジリオン10/15 未勝利 (東京芝1400m)E

※2歳芝新馬戦・未勝利戦のみ

考察

 2歳重賞のセオリーは「距離短縮>距離延長」だが、当レースに関しては距離延長組が優れた成績を残している。翌週以降にデイリー杯2歳Sや東スポ杯2歳Sといった年末のG1に直結するレースが控えているため、敢えてココを狙う距離短縮(前走マイル以上)組はそもそもレベルに疑問がある。逆に距離延長(前走1200m)組は、夏の実績馬が適性を確かめるためココを使ってくるケースが多い。こうした時期的要因が、セオリーに反する傾向を示しているのだろう。

過去10年同レース前走距離別成績

 ◎アスクワンタイムとする。評価については小倉2歳S回顧参照。距離延長の実績馬として傾向と完全に合致。前走に続く、全兄との兄弟制覇に期待。

 ★①アグラードにも注目したい。母ヴィータアレグリアはJpn3-マリーンC制覇。「ニューイヤーズデイ×ネオユニヴァース」はBoulevardの牝馬クロスが発生する今後要注目の配合。パフォーマンスとしては水準程度も、同条件で勝ち上がっているのは好材料と言える。最内をうまく捌くことが出来れば、チャンスは充分。

 以下、△⑥ゼルトザーム・△⑦コラソンビート・△⑧ミルテンベルク・△⑫ジャスパーノワールまで。割と難解。

回顧

 コース替わり2週目でも馬場の傷みは少なく、内外差の無い高速時計の良馬馬開催。34.2-11.5-34.9のハイペースだが、逃げ馬が単騎とばしたことが原因であり、2番手以降の通過ラップはそれなり。ほぼ一団から直線よーいドンの末脚比べとなった。

 △コラソンビートは中団外目を追走。直線外目から上がり33.2の末脚を伸ばし、迫る2着馬・粘る3着馬を僅かに振り切り優勝。3連勝で重賞初制覇とした。メンバーレベルに疑問は残るが、コースレコード更新は素直に評価すべき。今を時めく豪州出身の母系で、二代母マイネヒメルはウインマリリン(G1-香港ヴァーズ 他)・ウインマーレライ(G3-ラジオNIKKEI賞)の半姉。父スワーヴリチャードはJRA新種牡馬リーディングを快走中で、ピラミマ(延いてはその父Unbridled’s Song)的な早熟性とスピードを強く遺伝している。Danzigやサンデーサイレンス~Haloクロスを用いて早熟性やスピードを高めるのは、父産駒のオーソドックスな好配合型と言えるだろう。新馬戦(芝1600m)はボンドガール(G3-サウジアラビアRC 2着)・チェルヴィニア(G3-アルテミスS)に次ぐ3着で、勝ち上がり時も芝1600mと今後距離延長に関する不安は少ない。大舞台で前述2頭に逆転するイメージは描きにくいものの、世代上位の高速マイラーとして今後も一定の評価は必要だ。

 ◎アスクワンタイムはスタートで後手を踏み、促しながら後方追走。直線大外から追うも全く伸びず、10着大敗となった。そもそも速い上がりを使える馬ではないため、この流れであの位置取りになった時点で上位進出は厳しい。今回は度外視としてよいが、この面子であれば展開問わずもう少し格好をつけてほしかったところ。ミルテンベルクの結果も考慮すると、小倉2歳Sの評価は下方修正すべきかもしれない。

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