ジャパンC血統予想2021

「皐月賞は最も『速い馬』が勝つ」「ダービーは最も『運の良い馬』が勝つ」「菊花賞は最も『強い馬』が勝つ」。これは牡馬三冠競走に於いてしばしば取り沙汰される格言だが、秋古馬三冠競走に於いても通じるところがあるのではないかと考える。

天皇賞(秋)血統予想2021-Hyperion最強

秋古馬三冠第二戦のジャパンCは、牡馬三冠第二戦の東京優駿と同じく『運の良い馬』であることが求められるレース。東京芝2400㍍というコース自体の傾向として、内枠が断然有利なのは周知の事実。下に示すのは、過去5年東京芝2400㍍で施行されたGⅠの枠順別成績。一目見て分かる通り、特に1枠有利が顕著。コース替わりで状態の良い内のポジションを如何にして確保するかが最重要であり、実力が拮抗しているのであれば、最も内を引いた『運の良い馬』を狙いたい。

枠番着別度数勝率連対率複勝率
1枠4- 5- 2-14/2516.00%36.00%44.00%
2枠2- 1- 2-21/267.70%11.50%19.20%
3枠2- 0- 2-24/287.10%7.10%14.30%
4枠0- 3- 3-22/280.00%10.70%21.40%
5枠2- 2- 0-24/287.10%14.30%14.30%
6枠1- 2- 1-24/283.60%10.70%14.30%
7枠2- 0- 2-33/375.40%5.40%10.80%
8枠1- 1- 2-35/392.60%5.10%10.30%

今回のメンバーの単純な地力比較で言えば、コントレイルとシャフリヤールの人気2頭が頭一つ抜けて拮抗。2頭は東京1800-2000㍍ベストの中距離馬なので、舞台適性からオーソリティ、アリストテレス、サンレイポケット辺りも善戦の余地がある。ただし、今回は天皇賞(秋)と同じく、確固たる逃げ馬不在。キセキが好スタートから19年の再現をしない限りはスローからの直線末脚比べ濃厚で、距離適性の差が結果に直結するとは思えない。

◎コントレイルとする。二代母Folkloreは米GⅠメイトロンS(D7F)、米GⅠBCジュヴェナイルフィリーズ(D8.5F)制覇。ディープインパクト×Unbridled’s Song、ディープインパクト×Tiznow、ディープインパクト×Storm Catと3つの黄金配合を併せ持ち、ディープインパクトのしなやかさを極限まで高めた本格派短め中距離馬。元々新馬戦から高く評価してきた馬で、中山内回りのホープフルS・皐月賞で対抗評価に下げた(両レース◎ヴェルトライゼンデ)以外はずっと本命を打ち続けている。古馬になって配合通りの米国的高速マイラーに寄りつつあったが、秋二戦での引退表明後、意図的に中長距離を目標として仕上げてきた。分かりやすいのは馬体重で、大阪杯で472㌔(+16)まで増やしたところ、前走天皇賞(秋)では464㌔(-8)。今回も前走と同じく調教後馬体重468㌔(水曜時点)で、ここを目標とした究極仕上げで臨めそうだ。前走は1枠1番が仇となり、行き脚つかずポジションを大きく下げる形となってしまった。今回は最内の後入れ偶数枠となる1枠2番。矢作師が「神様に気に入られた馬なんだな」とコメントしたように、考えうる限り最高の枠順を引き当てた。

無敗三冠達成以降勝ち星を挙げられていないこと、現4歳世代の実績が他世代に劣ることは覆せない事実である。それでも私は、新馬戦・東スポ杯・東京優駿で見せたあの末脚を、ホープフルS・皐月賞・菊花賞で見せた適性を覆すあの圧倒的な素質を、最後まで信じたい。

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