マイルCS血統予想2021

始めに

この記事では、血統研究家としての視点からGⅠレースの予想を公開する。血統予想家を名乗るつもりは毛頭ないが、それでも予想を公開するのは偏に自身の血統論の正しさを証明するためである。馬券は本命馬の複勝一点。馬券上手ではないので、敢えて私の本命馬を避ければおいしい馬券にありつける…かもしれない。

レース概要

例年京都芝1600㍍(外)で行われる、秋のマイル王者決定戦。昨年に引き続き、改修工事のため阪神芝1600㍍(外)での代替開催となる。向正面半ばからのスタート。緩い4画半ば残り3F地点から下り始め473.6㍍(Aコース)の急坂直線を駆け上がるコースレイアウト。

例年の京都芝1600㍍(外)と比較すると、直線急坂の存在から馬力が求められるが、基本的には所謂「スローからのよーいドン」な上がり3F勝負になりやすいコースと言える。

5回開催はコース替わりが無いので、4回開催の芝状態をそのまま引き継ぐ形となる。前週から外回り3-4角の傷みも目立ち始め、ある程度時計のかかるタフな馬場での開催となりそうだ。

前哨戦考察

安田記念(東京芝1600㍍)

レースラップ

12.311.011.611.511.411.211.011.7(1.31.7)

出走登録馬成績

2着グランアレグリア(1人気)、3着シュネルマイスター(4人気)、4着インディチャンプ(2人気)、8着サリオス(3人気)、10着ケイデンスコール(5人気)、12着カテドラル(9人気)

所見

曇りの良馬場での開催。ダイワキャグニーとトーラスジェミニが主張して、前半800㍍46.4前後半差+1.1のスローで、4角では馬群一団。後方外からスムーズに追い込んだダノンキングリー、後方から内を捌いて追い込んだグランアレグリアによるワンツー決着となった。断然人気のグランアレグリアはスタート直後に内外から寄られ、直線半ばまでノースペースの苦しい競馬。それでも上がり最速32.9の末脚でアタマ差2着ならば、歴代最強マイラーの評価に恥じない結果だろう。シュネルマイスター・インディチャンプはここでは完全に力負け。

富士S(東京芝1600㍍)

レースラップ

12.011.212.111.711.711.311.511.7(1.33.2)

出走登録馬成績

2着サトノウィザード(9人気)、4着ダノンザキッド(2人気)、5着ダーリントンホール(11人気)、10着ロータスランド(3人気)

所見

晴れの良馬場での開催。好発を決めたロータスランドがラップを刻み、前半800㍍47.0前後半差+0.8のミドルスローで、4角では馬群一団。中団外目に構え、直線綺麗に前が開いたソングラインがサトノウィザードの追い込みをクビ差凌いで優勝。勝ち馬も含め、マイル路線のトップを張れるパフォーマンスを見せた馬はいない。

注目馬血統解説

グランアレグリア

タピッツフライは当時格付の無かったBCジュヴェナイルフィリーズターフ(T8F)、米GⅠジャストアゲームS(T8F)、米GⅠファーストレディS(T8F)を制覇。ディープインパクト×Tapitは勝馬率66.7%(8頭/12頭)。適性から外れるスプリント戦すら格の違いだけでぶっちぎる高速短めマイラー。個人的に歴代最強マイラーの評価を与えている。

シュネルマイスター

独Sライン母セリエンホルデは独GⅠオークス(T11F)制覇。父Kingmanは現役時代8戦7勝、愛GⅠ2000ギニー(T8F)などGⅠ4連勝でカルティエ賞年度代表馬となった名マイラー。Kingman×Krisは勝馬率100.0%(4頭/4頭)。マイラー×中距離のバランスに加え、二代母Saldenehreの部分のみNorthernDancerを引かない「4分の3ND・4分の1異系」。現役屈指の好配合が光る、重厚感のある本格派長めマイラー

インディチャンプ

トキオリアリティー牝系半妹アウィルアウェイステイゴールド×キングカメハメハは勝馬率70.0%(7頭/10頭)。超高速ピッチから繰り出される鋭い末脚が持ち味の純マイラー。20年マイラーズC以降1年以上勝利こそないが、アウトサイダー血脈の強い牝系らしく、6歳を迎えても衰えは全く感じない。

サリオス

独Sライン母サロミナは独GⅠオークス(T11F)など重賞2勝。半姉サラキアハーツクライ×Danehillは勝馬率56.7%(34頭/60頭)。およそハーツクライらしくもサロミナらしくもない、Danehill的馬力型長めマイラー。2,3歳時の完成度が非常に高かった分、成長曲線の頭打ち感が否めない。

グレナディアガーズ

母ウェイヴェルアベニューは米GⅠBCフィリー&メアスプリント(D7F)制覇。父Frankelは現役時代14戦14勝、カルティエ賞年度代表馬に2度選出された欧最強マイラー。種牡馬としては世界8ヶ国でGⅠを制している2021年英愛リーディングサイアー。ソウルスターリングやモズアスコットなど、母の競走能力・適性をそのまま引き出すタイプの種牡馬で、本馬も母同様に米国的一本調子の高速短めマイラー

結論

実は私はグランアレグリアに本命を打ったことが一度もない。新馬戦すら◎ダノンファンタジーである。過去には散々痛い思いをさせられ、今ではタイキシャトル・モーリスを抑えて『歴代最強マイラー』の評価を与える名牝のラストラン。かと言って、ここで本命を打つのは余りに無粋ではないだろうか。アーモンドアイにも最後まで本命を打たなかったように、この馬に対しても最後まで本命は打たないべきだ。それが仁義だ、それが筋を通すということなのだ…と私は思う。

◎シュネルマイスターとする。本馬は高速府中での好走が目立つが、それは圧倒的素質の為せる技であり、配合の本質は重厚な欧血による消耗戦での我慢比べにある。現在の阪神芝は6回開催に向けてコースを替えられないことが災いし、近年稀に見る極悪コンディション。母系を米血で固めた稀代の快速マイラーとの対決は、こちらに地の利がある。まして相手は脚元の状態によるローテーション変更、中2週での急仕上げと万全の状態とは言い難い。

「完成の域に達しないことは認めるが、若い人馬の未来を買いたい」として本命を打った安田記念。一夏を越え、誰もがその実力を認めるまでに成長したが、これで完成ではない。歴代最強マイラーに引導を渡すのは、成長を続けるこの人馬であってほしい。

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