2024年度社台・サンデー・G1募集馬血統雑感

 2024年04月19日、社台TC・サンデーTC・G1TC2024年度募集馬リストが公開された。現時点で判明している情報から、気になる血統を持つ馬についてサラっと触れておく。参考程度に。

社台サラブレッドクラブ

エマソングの23

父:ダノンキングリー 母父:Unbridled’s Song

生年月日:2023年04月21日 生産:社台ファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:二代母Advancing StarはG3-ハリウッドターフイクスプレスHなど重賞3勝。「ダノンキングリー×Unbridled’s Song」は、ディープインパクト×Storm Cat×Unbridled’s Songの黄金配合を満たし、コントレイル・ビアンフェ・オオバンブルマイに似たアウトラインとなる。母とディープインパクト後継種牡馬との配合は、アップストローク(父ディーマジェスティ)・メイクユーマイン(父キズナ)の2頭ともに勝ち上がり。この世代が初年度産駒となる父ダノンキングリーは、下馬評以上に”やれる”種牡馬だと思う。低価格帯ではイチ押しの芝マイラー。

ラセレシオンの23

父:ブリックスアンドモルタル 母父:ゼンノロブロイ

生年月日:2023年02月27日 生産:社台ファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:二代母アルゼンチンスターはDifferent(亜最優秀3歳牝馬・古牝馬)の全妹。母ラセレシオンはペルーサ(G2-青葉賞 他)の全妹で、自身はJRA3勝。アスクワイルドモア(G2-京都新聞杯)をはじめ、半兄3頭はいずれもJRA2勝以上を挙げている。「ブリックスアンドモルタル×ゼンノロブロイ」はクイックバイオと共通し、「3/4ND・1/4異系」を簡易的に満たす好配合。北米血脈で固められた芝ダート兼用マイラー。

サンデーサラブレッドクラブ

タッチングスピーチの23

父:エピファネイア 母父:ディープインパクト

生年月日:2023年03月24日 生産:ノーザンファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:Brigid牝系。二代母リッスンはG1-フィリーズマイルなど英愛2勝、Sequoyah(G1-モイグレアスタッドS)の全妹。母タッチングスピーチはG2-ローズSなどJRA3勝。「エピファネイア×ディープインパクト×Sadler’s Wells」はアリストテレス・オーソクレースと共通し、父・母父のしなやかさを引き締める好バランスな配合。「父長距離×母父長距離×二代母マイラー」は父産駒の王道。菊花賞で大きく張りたい晩成芝中長距離馬。

ピノの23

父:キタサンブラック 母父:Pierro

生年月日:2023年03月14日 生産:ノーザンファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:二代母DizelleはG1-AJCオーストラリアンオークスなど重賞3勝、Vengeance of Rain(G1-ドバイシーマクラシック 他)の全妹。母ピノはG1-VRCケネディーオークスなど重賞2勝で、Zabeel4×2という意欲的な配合で繁殖ポテンシャルにも期待できる。「キタサンブラック×Sir Ivor×Nureyev」はイクイノックスと共通。ソールオリエンス(キタサンブラック×Red God×Sadler’s Wells)ともアウトラインは合致し、スピードを補強し底力を増幅する高打点の配合。「父長距離×母父スプリンター」でバランスの取れた芝中長距離馬。

ボージェストの23

父:エピファネイア 母父:キングカメハメハ

生年月日:2023年03月24日 生産:ノーザンファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:エアグルーヴ牝系。二代母アドマイヤグルーヴはJpn1-エリザベス女王杯など重賞5勝のJRA賞最優秀古牝馬で、ルーラーシップ(G1-クイーンエリザベスⅡ世C)の全姉。母ボージェストはドゥラメンテ(15年最優秀3歳牡馬)の全姉。本馬はソネットフレーズ(G2-デイリー杯2歳S 2着)の全弟、ボーデン(G2-スプリングS 3着)の半弟にあたる。同血の近親スカイグルーヴ(エピファネイア×キングカメハメハ×アドマイヤグルーヴ)はG2-京王杯SC 2着など。「エピファネイア×キングカメハメハ」はデアリングタクト・イズジョーノキセキ・ステレンボッシュと共通。隙間なく良血で埋め尽くされた芝中距離馬。

ミスエーニョの23

父:リアルスティール 母父:Pulpit

生年月日:2023年04月23日 生産:ノーザンファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:二代母Madcap EscapadeはG1-アシュランドSなど重賞5勝、Dubai Escapade(G1-バレリーナS 他)の半姉。母ミスエーニョはG1-デルマーデビュタントSなど重賞2勝。本馬はミスエルテ(G3-ファンタジーS)・ミアネーロ(G3-フラワーC)の半弟にあたる。3/4同血の近親ミエスペランサは現在2戦2勝。「リアルスティール×A.P. Indy」はフォーエバーヤングと共通し、父が伝えるMiesque的硬さを程よくほぐす高打率の配合。手堅いダートマイラー。

ミスティックジャーニーの23

父:キズナ 母父:Needs Further

生年月日:2023年01月26日 生産:ノーザンファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:母ミスティックジャーニーはG1-VRCオーストラリアンギニーなど重賞4勝の豪最優秀3歳牝馬。その母White Goldから二代続けて大胆な牝馬クロスを持ち(Klairessa3×4Lady Giselle4×4)、繁殖ポテンシャルにも大きな期待が掛かる。「キズナ×Dahehill×Lomond」はジャスティンミラノと共通し、Sir Ivor~Sir Gaylord血脈が強い点も似通う。いかにも牝馬クラシック路線で期待できそうな早熟芝マイラー。

モヒニの23

父:コントレイル 母父:Galileo

生年月日:2023年01月26日 生産:ノーザンファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:Coup de Folie牝系。三代母Coup de GenieはG1-モルニ賞など重賞3勝の仏最優秀2歳牝馬で、大種牡馬Machiavellianの全妹。二代母DenebolaはG1-マルセルブサック賞など重賞2勝で、Moonlight’s Box(バゴの母)の半妹。本馬はPista(G2-パークヒルS 他)の半弟にあたる。この世代が初年度産駒となる父コントレイルは、母系が快足北米血脈の塊なので、母父に重厚な欧州血脈を差し込むパターンは成功するだろう。また産駒の代ではStorm Catが5代目まで引っ込むため、現状成功しているとは言い難いStorm Catクロスから初の大物が出るとすれば、コントレイル産駒ではないかと思う。以上の仮説を高水準で満たす高速巡行芝中距離馬。

ヤンキーローズの23

父:コントレイル 母父:All American

生年月日:2023年02月16日 生産:ノーザンファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:二代母CondesaarはRedoute’s Dancer(G1-NZダービー)の半妹。母ヤンキーローズはG1-ATCサイアーズプロデュースSなど重賞2勝の豪最優秀2歳牝馬・3歳牝馬で、Miravalle(G3-ITCケンブラグランジクラシック)の半姉。本馬はリバティアイランド(JRA賞最優秀2歳牝馬・3歳牝馬)の半妹にあたる。二代母Condesaarが持つBest in Show3×4がとにかく素晴らしいのでどんな種馬を付けても褒めるのだが、ディープインパクトやキズナのニックスを参考にすれば、「コントレイル×Gone West」は一定以上の成績が出るのでは。馬力型芝マイラー。

G1サラブレッドクラブ

ヌチバナの23

父:ルヴァンスレーヴ 母父:キングカメハメハ

生年月日:2023年04月14日 生産:追分ファーム

所属厩舎:? 募集総額:?万円(一口?円)

雑感:ニキーヤ牝系。二代母ラバヤデールはゴールドアリュール(JRA賞最優秀ダートホース)の全妹。母ヌチバナはソロル(G3-マーチS 他)・ルコルセール(OP-名古屋城S)の半姉。本馬はミッキーヌチバナ(G3-アンタレスS)の半妹にあたる。「ルヴァンスレーヴ×キングカメハメハ」は、Roberto×Mr. Prospector×Specialのダート黄金配合を満たし、チュウワウィザードを彷彿とさせる今後要注目の配合。馬力で捲るダート中距離馬。

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