自称血統評論家が2024皐月賞を考える

参考:2歳牡馬番付

考察

 昨年の2歳牡馬番付から横綱シンエンペラー・関脇アーバンシック・前頭筆頭ジャンタルマンタル、2歳牝馬番付から小結レガレイラが出走。初志貫徹、◎⑭シンエンペラーとする。以下、勝ち上がり診断・前々走ホープフルS回顧引用。

11/04 新馬戦(東京芝1800m/良) 1:48.1

49.4-12.3-46.4のどスロー。好スタートから控えてインの3番手追走。ラスト2F地点で前2頭の間を割ると、鋭い末脚で3馬身差の完勝。レース上がり1F11.0以下は同格同距離で過去24R確認できるが、その中で全体時計1:48.1はソールオリエンス・ラヴズオンリーユーなどを抑えて歴代1位。上位3Rが今年の東京開催から出ているため馬場の恩恵は否定できないが、それにしても圧倒的に早い。また、抜け出してからの上がり2Fを11.1-11.0という鬼の加速ラップでまとめている点も秀逸。挙動に幼さを残す現状でこの数字を出しているのは、高いポテンシャルの現れに他ならない。

母Starlet’s Sisterは、Sistercharlie(G1-BCフィリー&メアターフなどG1・7勝)やSottsass(G1-凱旋門賞などG1・3勝)、My Sister Nat(G3-ワヤSなど重賞3勝)を産んだ超名繁殖。母系に入って良さを伝えるMiswakiを3×3で持っている点や、Acripolis=Alycidon6×6という妙味ある全兄弟クロスが産駒の活躍を支えている。本馬はSottsassの全弟で、Galileo×Danehillの黄金配合を逆にした配合形に、Nureyev≒Sadler’s Wells4×3をプラス。仏血脈特有のスローで鋭敏にキレる末脚は、距離延長で更にパフォーマンスを上げそうだ。

……という考えから京都2歳Sでも本命を打ち、見事1着。予想コメントでも触れたように、低レベルで御馴染みのこのレースを使ってきたこと自体が一番の不安点だったが、道中厳しい進路取りから直線馬群を割って突き抜け、レースレコード更新での快勝と結果は上々。来春に向けて楽しみが広がった。

2023年度2歳勝ち上がり診断⑥【5回東京/3回京都/3回福島】-Hyperion最強

◎シンエンペラーは好スタートから内目4,5番手追走。やや行きたがる素振りは見せるものの、3,4角で手応え充分にポジションを上げ、直線早々に抜け出した。「これは楽勝か」と思ったのも束の間、ハナに立った途端にソラを使い、ゴール間際強引に勝ち馬と併せにいったものの凌ぎ切れず2着。勝ち上がり診断でも述べたようにまだまだ挙動に幼さが残り、今回は勿体ない競馬に終わってしまった。とはいえラップ構成と競馬振りを見る限り、寧ろここまで接戦に持ち込めたことが不思議なくらいで、横綱評価は間違っていなかったと思う。日本に限らずどの国のクラシックに出しても恥ずかしくない器であり、早い話だが来年の凱旋門賞が非常に楽しみになった。Starlet’s Sisterは偉大。 

自称血統研究家が2023ホープフルSと2歳牡馬番付を考える-Hyperion最強

 前走弥生賞は賞金持ち故の前哨戦仕上げであり、スタート後正面での接触などを考慮すれば単なる力負けではないと判断できる。本質的に小回り向きではないものの、同条件を2度経験している点は大きなアドバンテージ。大箱ストレッチランナーだらけの今年の面子であれば、相対的に地の利がある。師の辛口評価は期待の表れ、今年のクラシックはこの大器と心中したい。

 〇⑧ジャンタルマンタルは配合や長手の造りから、ピュアマイラーではないと言い続けてきた(デイリー杯2歳S回顧朝日杯FS回顧参照)。前走共同通信杯は前半5F62.7のどスローに付き合ってのキレ負けと敗因は明確。逃げ先行馬多数でハイペース濃厚の今回は、マイルを使ってきたこれまでの経験がプラスに働くだろう。NHKマイルCノーブルロジャーの鞍上を固定させるため、次走東京優駿への目途を……という邪な願いも込めて、この印とする。

 ▲⑩レガレイラについてはホープフルS回顧参照。地力と実績は間違いなく、牝馬だからといって軽視するのは禁物。テン乗り北村宏司がどう乗りこなすか。

 ★⑨アーバンシックは単穴レガレイラと同血(同父・母が全姉妹)の関係にあたり、こちらも器は世代最上位。乗り難しくこの条件はハッキリ適性外だが、なんとか東京優駿への優先出走権を確保したい。

 以下、前哨戦のハイパフォーマンスを認めて△②メイショウタバル・△⑬ジャスティンミラノ・△⑰ビザンチンドリームまで。いずれも素質はA級も、初の多頭数・初の中山小回り急坂・G1レベルのハイペースに対応できるか。

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