スプリンターズS血統予想2021

土曜中山芝は内先行有利が顕著な結果となった。上位人気勢が軒並み外枠を引いているのは悩ましいが、脚質的には前目に付けたいクチが多いので、馬場による不利を受けるのはジャンダルムくらいだろう。

想定される先団の隊列は、モズスーパーフレア・ビアンフェの逃げ、ファストフォース・レシステンシア辺りが続き、その直後にダノンスマッシュ・クリノガウディー・ピクシーナイト…といったところだろうか。ここで考えなければならないのが、内目を引いたメイケイエールの存在である。これまではジェットスキー状態で先行し、ハナを取り切ることで落ち着かせてきたが、GⅠ級スプリンター相手となると単純にスピードの差から今までの戦法は使えない。となればメイケイエールに残された道は、「①最初から一切抑えず強引にハナを取りに行く」「②逃げ2頭から離れた先団先頭で落ち着かせる」「③先団内で大暴れを続ける」の三択。この内で可能性として高いのは②③のパターンだが、どちらにせよ逃げ2頭以外の先行馬はメイケイエールに意識を向けつつのレースになりそうで、本来の能力を発揮できずに終わる可能性も考慮しなければならない。

以上より◎モズスーパーフレアとする。母Christies TreasureはエイコーンS(D8F)など米GⅠ3勝のJersey Girlと同血。半姉Sacristyは米GⅢオールドハットS(D6F)制覇。本馬は米GⅠシガーマイルH(D8F)を制したJersey Townと同血にあたる。Bold Ruler5×5×6×5で、母父Belong to Meの部分にはBold Rulerを引かない「4分の3同系・4分の1異系」の配合型。サンデーサイレンスを持たず、米血で固められたスピードタイプの純スプリンターで、このコースはベスト条件。昨年同レースではビアンフェがゲート時点から掛かっていたこともあり、2頭で後続を大きく離した逃げを打ち、共倒れとなった。その後ビアンフェは去勢を行い、気性面は良化。中竹師も「ハナにこだわっているわけではない」との発言をしている。一方で単騎逃げ宣言をしたのが音無師である。本馬のベストバウトは前半32.8で運んだ19年スプリンターズS(2着)。今回もそのイメージで臨んでくるというのは非常に心強い発言だ。競られることなくハイペースで逃げることができれば、今の馬場ではそう簡単には捕まらない。昨年のような「距離適性を超越する絶対能力の高さを見る競馬」も悪くないが、私がこのレースで一番見たいのは「スプリンターがスプリンターらしく勝つ競馬」。今度こそ、文句なしの短距離女王の誕生に期待したい。

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