天皇賞(秋)血統予想2021

始めに

この記事では、血統研究家としての視点からGⅠレースの予想を公開する。血統予想家を名乗るつもりは毛頭ないが、それでも予想を公開するのは偏に自身の血統論の正しさを証明するためである。馬券は本命馬の複勝一点。馬券上手ではないので、敢えて私の本命馬を避ければおいしい馬券にありつける…かもしれない。

レース概要

東京芝2000㍍で行われる、秋古馬三冠初戦。1角ポケットからのスタート。全体に緩やかなカーブを曲がり、525.9㍍の長い直線を迎えるコースレイアウト。

他の主要3場(中山・京都・阪神)芝2000㍍と比較すると、2角部分が特殊なものの唯一のワンターンコースとなっており、コーナリング性能よりも単純なスピードの絶対値が求められる条件となる。19年20年1着のアーモンドアイを始め、マイルGⅠ好走馬の活躍が目立つのはこのコース形態によるものだろう。

現時点では週後半から週末にかけての雨予報は無く、Bコースに替わり内の傷みがカバーされるのも相まって、良馬場での高速決着が予想される。

前哨戦考察

大阪杯(阪神芝2000㍍)

レースラップ

12.411.112.112.112.1-12.8-12.212.111.6-13.1

出走登録馬成績

2着モズベッロ(6人気)、3着コントレイル(1人気)、4着グランアレグリア(2人気)、6着カデナ(11人気)、10着ペルシアンナイト(9人気)

所見

雨の重馬場での開催。外からレイパパレが二の脚でハナに立ち、緩めず運んで前半1000㍍は59.8。3-4角では他の人気3頭が押し上げながら直線に。前後半差は-2.0、道悪馬場に苦しむ他馬を後目にレイパパレが悠々逃げ切り。2着には道悪巧者のモズベッロが浮上。人気を背負ったコントレイル・グランアレグリアは、それらに次ぐ形での3着4着。地力は見せつつも消化不良の一戦となった。

毎日王冠(東京芝1800㍍)

レースラップ

12.6-10.911.311.911.811.711.311.411.9

出走登録馬成績

3着ポタジェ(4人気)、5着カイザーミノル(12人気)、6着サンレイポケット(9人気)、10着カデナ(10人気)、13着ラストドラフト(11人気)

所見

晴れの良馬場での開催。好発を決めたダイワキャグニーに対して、外からハナを奪ったトーラスジェミニがペースを刻み、前半1000㍍は58.5前後半差は+0.4、出遅れ道中から捲ったダノンキングリーが抜け出したところ、最後方から追い込んだシュネルマイスターが計ったようにゴール前差し切り優勝。GⅠ馬2頭が地力の違いを見せつける結果となった。ペースを考えれば、前目で粘ったダイワキャグニー・カイザーミノルはよく頑張っている。

注目馬血統解説

コントレイル

二代母Folkloreは米GⅠメイトロンS(D7F)、米GⅠBCジュヴェナイルフィリーズ(D8.5F)制覇。ディープインパクト×Unbridled’s Songディープインパクト×Tiznowディープインパクト×Storm Catと3つの黄金配合を併せ持ち、ディープインパクトのしなやかさを極限まで高めた本格派中距離馬。東スポ杯2歳Sで2歳芝1800㍍レコード(1.44.5)を出しているように、高速馬場への適性も折り紙付き。前走は馬場に泣かされたが、ここは三冠馬の意地を見せたいところ。

グランアレグリア

タピッツフライは当時格付の無かったBCジュヴェナイルフィリーズターフ(T8F)、米GⅠジャストアゲームS(T8F)、米GⅠファーストレディS(T8F)を制覇。ディープインパクト×Tapitは勝馬率66.7%(8頭/12頭)。適性から外れるスプリント戦を格の違いでぶっちぎるスピード特化の短めマイラー。個人的には歴代最強マイラーの評価を与えており、日本競馬史上屈指の素質馬であることは間違いない。今回は距離延長への対応が鍵となる。

エフフォーリア

Katies牝系。母ケイティーズハートは中央3勝(ダート1700-1800㍍)。中距離×中距離の配合だが、二代母ケイティーズファーストがRelance=Polic4×3を持つ米マイラー血脈の塊なのでバランスの取れた本格派中長距離馬。ダービーで初めて土を付けられる結果となったが、体型や走法からは内回り中山よりも大箱東京に適性がある。高速馬場で初対戦となる年上GⅠ馬相手に「強い3歳世代筆頭」がどこまで食い下がれるか。

カレンブーケドール

ソラリアは智ダービー(T12F)などGⅠ3勝、年度代表馬にも選出された女傑。ディープインパクト×Storm Catはコントレイル・ラヴズオンリーユー等と共通し、勝馬率65.9%(120頭/182頭)。母のHawaii5×5が強く発現し、この配合ながらキレで勝負するタイプではない。反面どんな条件でも相手なりにしぶとく粘る持続力型中距離馬。ここも頭で来るイメージは湧かないが、掲示板のどこかにはいるだろう。

ワールドプレミア

母マンデラは英GⅠイスパーン賞(T9F)、英GⅠプリンスオブウェールズS(T10F)、仏GⅠジャックルマロワ賞(T8F)でGⅠ3連勝を果たしたManduroの半姉で、自身は独オークス(T11F)3着。全兄にワールドエース、半弟にヴェルトライゼンデ。Hyperion血脈で塗り固められた独牝系出身の本格派ステイヤー。5歳を迎えていよいよ大器晩成。中距離戦に対応できるスピードも持ち合わせているが、稀代の超GⅠ級快速馬2頭を相手にどう立ち回るか。

結論

「皐月賞は最も『速い馬』が勝つ」「ダービーは最も『運の良い馬』が勝つ」「菊花賞は最も『強い馬』が勝つ」。これは牡馬三冠競走に於いてしばしば取り沙汰される格言だが、秋古馬三冠競走に於いても通じるところがあるのではないかと考える。秋古馬三冠初戦の天皇賞(秋)は、牡馬三冠初戦の皐月賞と同じく『速い馬』であることが求められるレース。土曜東京芝はコース替わりもあって例年以上の高速時計。日曜は昼過ぎから雨予報も出ているが、今年の大阪杯レベルの馬場になることは考えづらく、多少渋っても例年並みの時計には落ち着くだろう。となれば、やはりここは伏兵の台頭よりも三強での決着に期待したい。

◎コントレイルとする。元々新馬戦から高く評価してきた馬で、中山内回りのホープフルS・皐月賞で対抗評価に下げた(両レース◎ヴェルトライゼンデ)以外はずっと本命を打ち続けている。現状のベストパフォーマンスは東スポ杯2歳Sの5馬身差レコード圧勝で間違いないし、三冠競走に限っても東京優駿での突き抜け方が際立っていた。実績・配合から高速府中のマイル~中距離に適性があることは明白である。明け4歳初戦の大阪杯は472㌔(+16)での出走で、特に前駆のパンプアップが目立った。これは本来適性外の菊花賞に向けた調整が終わり、配合通り米国的高速マイラーに成長してきたと捉えられる。今回は調教後馬体重468㌔(水曜時点)、輸送も含めると460㌔前後での出走となるだろう。矢作師の「(+16㌔は)成長分と思って喜んでいたが、疲労の残り方その他を考えるとコントレイルにとっては重過ぎた」というコメントからも、再度中長距離へ対応するため意図的に絞ってきたことが伺える。現4歳世代のレベルから無敗三冠の価値を疑問視されているようだが、そんな次元で語ってよい馬ではない。引退まで残り2戦、まずは秋の盾で『現役最速中距離馬』を証明する。

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