天皇賞(秋)血統予想2021

「皐月賞は最も『速い馬』が勝つ」「ダービーは最も『運の良い馬』が勝つ」「菊花賞は最も『強い馬』が勝つ」。これは牡馬三冠競走に於いてしばしば取り沙汰される格言だが、秋古馬三冠競走に於いても通じるところがあるのではないかと考える。秋古馬三冠初戦の天皇賞(秋)は、牡馬三冠初戦の皐月賞と同じく『速い馬』であることが求められるレース。土曜東京芝はコース替わりもあって例年以上の高速時計。日曜は昼過ぎから雨予報も出ているが、今年の大阪杯レベルの馬場になることは考えづらく、多少渋っても例年並みの時計には落ち着くだろう。となれば、やはりここは伏兵の台頭よりも三強での決着に期待したい。

◎コントレイルとする。二代母Folkloreは米GⅠメイトロンS(D7F)、米GⅠBCジュヴェナイルフィリーズ(D8.5F)制覇。ディープインパクト×Unbridled’s Song、ディープインパクト×Tiznow、ディープインパクト×Storm Catと3つの黄金配合を併せ持ち、ディープインパクトのしなやかさを極限まで高めた本格派中距離馬。東スポ杯2歳Sで2歳芝1800㍍レコード(1.44.5)を出しているように、高速馬場への適性も折り紙付き。元々新馬戦から高く評価してきた馬で、中山内回りのホープフルS・皐月賞で対抗評価に下げた(両レース◎ヴェルトライゼンデ)以外はずっと本命を打ち続けている。現状のベストパフォーマンスは東スポ杯2歳Sの5馬身差レコード圧勝で間違いないし、三冠競走に限っても東京優駿での突き抜け方が際立っていた。実績・配合から高速府中のマイル~中距離に適性があることは明白である。明け4歳初戦の大阪杯は472㌔(+16)での出走で、特に前駆のパンプアップが目立った。これは本来適性外の菊花賞に向けた調整が終わり、配合通り米国的高速マイラーに成長してきたと捉えられる。今回は調教後馬体重468㌔(水曜時点)、輸送も含めると460㌔前後での出走となるだろう。矢作師の「(+16㌔は)成長分と思って喜んでいたが、疲労の残り方その他を考えるとコントレイルにとっては重過ぎた」というコメントからも、再度中長距離へ対応するため意図的に絞ってきたことが伺える。現4歳世代のレベルから無敗三冠の価値を疑問視されているようだが、そんな次元で語ってよい馬ではない。引退まで残り2戦、まずは秋の盾で『現役最速中距離馬』を証明する。

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