種牡馬ロードカナロアを考える【2024年最新版】

※各種データは2023.12.31現在に更新。

※特に断りのない限り、データ・画像はTARGET frontier JV・JBIS Searchより引用。

基本情報

繫養:社台スタリオンステーション(2014-)

生年:2008年 生産:ケイアイファーム

競走成績

JPN:17戦11勝 HKG:2戦2勝

2012年度 JRA賞最優秀短距離馬

2013年度 JRA賞年度代表馬/最優秀短距離馬

2012 G1-スプリンターズS(中山芝1200m)1着

2012 G1-香港スプリント(HKG/シャティン芝1200m)1着

2013 G1-高松宮記念(中京芝1200m)1着

2013 G1-安田記念(東京芝1600m)1着

2013 G1-スプリンターズS(中山芝1200m)1着

2013 G1-香港スプリント(HKG/シャティン芝1200m)1着

2011 G3-京阪杯(京都芝1200m)1着

2012 G3-シルクロードS(京都芝1200m)1着

2013 G3-阪急杯(阪神芝1400m)1着

2012 G1-高松宮記念(中京芝1200m)3着

2012 G2-セントウルS(阪神芝1200m)2着

2013 G2-セントウルS(阪神芝1200m)2着

2012 G3-函館スプリント(函館芝1200m)2着

種付状況

JRA産駒成績

2017年度 JRAファーストシーズンリーディングサイアー

所感

 牝祖Somethingroyalは2頭の大種牡馬Sir Gaylord・Secretariatを輩出した名牝。二代母サラトガデューはG1-ガゼルH(USA)やG1-ベルデイムS(USA)を制したエクリプス賞最優秀3歳牝馬。母レディブラッサムは芝ダートで中央5勝を挙げた上級スプリンター。繁殖としてもまずまず優秀で、中央出走産駒9頭中5頭勝ち上がり、本馬を含む3頭が2勝以上を挙げている。本馬は父の3世代目産駒、母12歳時の6番仔にあたる。

 母レディブラッサムはSecretariat=Syrian Sea3×4の同血クロスによって、最上級の『Nasrullah×Princequillo血脈』が凝縮されている。本馬はそこにキングカメハメハを重ね、Nijinsky≒Storm Bird、Tom Fool≒Bolero Roseによって、母父Storm Catの主要血脈を増幅。また、隠し味的にGraustark=His Majesty6×4で底力を補強した。北米チャンピオンサイアーStorm Catの『スピードの絶対値の高さ』を忠実に遺伝しており、1200mに留まらずマイル戦でもその快速を発揮。2度のG1レコード更新、香港スプリント連覇、1200mを主戦場とした短距離馬として唯一の年度代表馬選出と、実績からすれば間違いなく日本史上最強のスプリンターである。

Sir Gaylord≒Secretariat・Sir Gallahad・Menow≒Atheniaが共通。

 自身の現役実績から、産駒も短距離路線を狙った配合・起用が多く、産駒勝鞍の3/4はマイル以下に収まる。ただしオールマイティなスピードは距離を問わず受け継がれており、配合次第ではクラシックディスタンスまで柔軟にこなすことが可能。父キングカメハメハや母父Storm Catと同じく、幅広い適性に打ち分けられる万能型の種牡馬と表現するのが適切と考える。(競走体系上仕方ない面もあるが)自身の重賞初制覇が3歳11月であったように、2・3歳時点での完成度は然程高くない。4・5歳で本格化を迎え、息の長い活躍を見せる産駒が多い印象。

 後継筆頭のサートゥルナーリアが産駒デビュー前の現時点で既に人気を博しており、自身は種付料・種付頭数共に減少傾向と、種牡馬としては既に安定期に入りつつある。それでもサンデーサイレンスを持たない使い勝手の良さから根強い支持を受けており、繁殖質についても極端な低下は見られない。JRAサイアーランキングでは、20年から3年連続でディープインパクトに次ぐ2位。23年は遂にタイトル奪取かと思われたが、年末でドゥラメンテの逆転を許し、またも2着。一押しに欠けるが安定感は魅力だ。

 産駒G1馬8頭中6頭は、Nureyev≒Sadler’s Wells=Fairy Kingを持つ。『Nasrullah×Princequillo血脈』的しなやかさとスピードは弄らずとも伝えてくれるので、体質を引き締め底力を加えるのが大物への条件と言える。

Northern DancerとSpecialが共通。

 また、3歳春までにG1を制した3頭(アーモンドアイ・サートゥルナーリア・ダノンスコーピオン)は、いずれも母がG1に相当する中距離大レースを制している。POGでの狙いはこの2点に絞ってよいのでは。

フサイチパンドラ(エリザベス女王杯)、シーザリオ(優駿牝馬・アメリカンオークス)、レキシールー(ウッドバインオークス・クイーンズプレート)といずれも中距離大レースでの実績を持つ。

 フレンチデピュティフジキセキなどを用いて、War Relic≒Eight Thirty≒Good Exampleの相似配合を狙うと、ダートの大物も狙える。この配合は筋肉量を増やす方向に働くため、同時に短距離志向も強調されやすい。

ダート・短距離向きの北米馬力を増幅する。

 父キングカメハメハがNorthern Dancerの影響が強い種馬であり、自身もStorm Catでこのクロスを継続している。ここにNDクロスを持つ繁殖を当てる配合は褒めにくく、非NDクロスの繁殖との配合で『3/4ND・1/4異系』の形を作りたい。また、『父短距離×母中距離』の配合でバランスを整えるのも有効と考えられる。特にハーツクライ肌との配合は、Tagaloa(G1-ブルーダイアモンドS/AUS)をはじめ活躍馬多数のニックス。

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