自称血統研究家が2023朝日杯FSを考える

出走馬勝ち上がり時評価

【評価基準】

 A:重賞級 B:OP級 C:高確率で期間内+1勝が狙える

 D:期間内+1勝が狙える E:期間内+1勝は厳しい

馬名該当レース評価
タガノエルピーダ10/14 新馬戦 (京都芝1600m)A
エンヤラヴフェイス07/16 新馬戦 (中京芝1600m)B
シュトラウス06/03 新馬戦 (東京芝1600m)C
アスクワンタイム07/15 未勝利 (中京芝1200m)C
サトミノキラリ07/22 未勝利 (札幌芝1200m)C
クリーンエア08/06 新馬戦 (新潟芝1600m)C
セットアップ08/19 未勝利 (札幌芝1800m)C
ダノンマッキンリー09/30 新馬戦 (阪神芝1400m)C
ジャンタルマンタル10/08 新馬戦 (京都芝1800m)C
ナムラフッカー09/16 未勝利 (阪神芝1800m)D
オーサムストローク10/01 未勝利 (中山芝1600m)D
タガノデュード11/18 未勝利 (京都芝1600m)D
ミルテンベルク06/11 新馬戦 (阪神芝1200m)E
ジューンテイク07/08 新馬戦 (中京芝1400m)E
エコロヴァルツ07/08 新馬戦 (福島芝1800m)E
バンドシェル10/09 新馬戦 (京都芝1400m)E
タイキヴァンクール10/21 未勝利 (京都芝1400m)E

※2歳芝新馬戦・未勝利戦のみ

考察

 出走予定馬に番付表記載予定馬がいないため、今年の2歳牡馬番付はもう少々お待ちいただきたい。逆に言えば、毎年見られる「クラシック候補馬が何故かマイル路線を歩む」という残念なケースが今年はなさそう。これが本来あるべき姿だと思う。

 ◎⑧ダノンマッキンリーとする。以下、過去記事引用。

 母ホームカミングクイーンはG1-英1000ギニーなどGB・IRE4勝で、Queen’s Logic(G1-チヴァリーパークS 他)・Dylan Thomas(G1-凱旋門賞 他)の半妹。Shale(G1-モイグレアスタッドS 他)の半弟にあたる。「モーリス×Francis S.」はピクシーナイト・ジャックドールなどと共通。「3/4ND・1/4異系」の好配合。

 父モーリスは晩成型の産駒が多く、はっきり言ってPOG向きの種牡馬ではない。しかし、21年産に限ってはノーザンFが注力した世代であるため、狙ってみるのも面白いかもしれない。情報が少なかったため推奨リスト入りを見送ったが、記事公開後間もなく入厩・ゲート試験合格。その後も順調に乗り込まれており、早期デビュー濃厚。リスト外からの隠し玉として指名。

自称血統研究家のPOG指名馬2023-2024-Hyperion最強

 新馬戦は掛かりながらの番手追走から抜け出し、今期同条件最速の1:21.2で勝利(C評価)。続く秋明菊賞は出負けから後方で脚を溜め、直線上がり最速34.0の末脚で2馬身半差の完勝とした。走破時計1:20.7は、稍重馬場や同日に行われたマイルCSの時計を考慮すると破格。2戦ともに好時計を出しながら、レース内容からまだ上積みが見込める点がよい。気性面に課題を抱えるため1400mを使ってきたが、マイルへの延長自体は許容範囲だろう。

 指名コメントでも触れているが、今年の2歳モーリス産駒は明らかに動き出しが良く、事実JRA2歳リーディングではエピファネイア・キズナに次ぐ3位(自己最高タイ)、4頭が特別戦勝利を挙げるなど絶好調。本馬は早熟マイラー母系の発現が強く、層の厚いモーリス軍団の中でも現状の完成度は随一に見える。セオリーとしては推しにくいローテーションだが、それを上回るポテンシャルの高さにどうしても期待してしまう。

 紅一点〇⑤タガノエルピーダも侮れない。以下、過去記事引用。

10/14 新馬(京都芝1600m/良) 1:34.3

 48.8-45.5のどスロー。スタート直後外側にやや膨れつつ、逃げ馬マークの内番手追走。直線でジワジワと末脚を伸ばし、逃げ粘る2着馬を3/4馬身差捉えて優勝。レース上がり5F57.9は同格同距離で、グランアレグリアやリバティアイランドらに次ぐ歴代7位。また「レース上がり1F11.0以下の新馬・未勝利芝1600m」カテゴリに於ける全体時計1:34.3は、前回A評価としたショーマンフリートの記録を0.8秒上回り歴代1位となった。

  母タガノレヴェントンは現役時代未勝利も、本馬を含め出走産駒9頭中8頭が勝ち上がり、タガノトネール(G3-武蔵野S 他)・タガノエスプレッソ(G2-デイリー杯2歳S)・タガノディアマンテ(OP-万葉S)と3頭のOP馬を輩出する名繁殖。その母フィバリッシュが持つAmerigo≒Hornbeamを累進し、Nureyev4×3を加えた『Nasrullah×Hyperion』的ナタ斬れを堅実に伝えている。キズナとの配合が特別良いとは思わないが、本馬はキズナ牝駒らしい軽快なスピードと母の持続力がバランスよく発現。阪神外マイルに替わって、いかにもパフォーマンスを上げてきそうだ。背景や勝ち方の見た目からは地味さが拭えないが、クラシック路線のダークホースとして要注目。

2023年度2歳勝ち上がり診断⑤【4回東京/2回京都/3回新潟】-Hyperion最強

 阪神JF抽選除外によりこちらに回ってきたが、調教時計からは1週スライドの影響も感じない。牡馬に交じっても素質は見劣らず、力を出せる状態にさえあれば結果はついてくるはず。

 ▲⑰シュトラウスは実績最上位で地力も間違いなく高いのだが、前々走回顧に書いたように奥を感じないタイプ。舞台適性は高そうだが……。以下、△③ジャンタルマンタル、△⑮エンヤラヴフェイスまで。

回顧

 直線内を開けての競馬が目立つ、外伸びの良馬場開催。ラップ構成が中々特殊で、2・3Fは10秒台と流れた後に、4・5Fで12秒台が並ぶ中弛み。先行勢は前後半差-1.6の消耗戦をまともに走ったことになるが、後方勢にとっては然程速くないペースでの追走から直線勝手に前潰れ。掲示板下位を後方待機の人気薄が占める外差し優勢の展開となった。

 △ジャンタルマンタルは好スタートから控えて中団内目追走。3~4角から最内をスルスル進出すると、直線入口で早々に先頭へ。外目に持ち出しながら末脚を伸ばし、後続の追撃を封じ込めて1・1/4馬身差の完勝とした。考察では濁した書き方をしたが、本心を言えば今回の上位人気勢の中に正統派マイラーは不在で、かと言ってクラシックで通用するほど力のある馬もいない低レベルなレースだと考えていた。レースを終えた今もその意見は変わっておらず、ジャンタルマンタルに関しては前走回顧でも述べたように中距離馬だと思っているし、今回のレースレベルが高かったとは言えない。ただし、鞍上の好判断に応えた操縦性の高さや、曲がりなりにもマイル重賞を連勝したスピードの絶対値は褒めて然るべきである。余力ある勝ち方からは来年に向けての上積みもまだ感じられ、クラシックへの展望が開けた。番付入れ替えも検討したい。

 2着エコロヴァルツは向正面での接触や直線距離ロスはあったものの、展開が完璧に向いた結果。今後過剰人気するようであれば、積極的に軽視したい。3着〇タガノエルピーダは先行勢で唯一の掲示板確保。勝ち馬を除けば今回一番強い競馬をしたのは間違いなくこの馬であり、牝馬番付で関脇を与えた甲斐があったというもの。今年の牝馬路線、想像以上にハイレベルかもしれない。

 ◎ダノンマッキンリーは暴走するシュトラウスの陰に隠れて向正面でモロに引っ掛かり、直線多少は粘るも敢え無く8着。展開を踏まえるとマイルは長かったと言わざるを得ない。POG指名馬としては残念極まりないが、今後は短距離路線で頑張って頂きたい。▲シュトラウスは各所で言われている通り、今後の競馬が難しくなった感。キ甲の抜け切った馬体を見る限り肉体面での大きな上積みは望み薄で、更にこの気性となると……。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です